韓国人の早期留学が大幅減(下)
■早期留学の歴史
1990年代半ばにブーム、2000年代半ばに「全盛期」
早期留学ブームが始まったのは1990年代半ばからだ。早期留学第1世代(1994年-2000年)といわれる世代は、「世界化ブーム」と共に登場した。93年に政権を握った金泳三(キム・ヨンサム)元大統領が、世界化を国政課題として打ち立てたところ、海外経験のある人材の需要が急増した。ハーバード大学を首席で卒業した洪政旭(ホン・ジョンウク)議員(現ハンナラ党国会議員)が23歳のときに書いた自叙伝『7幕7場』がベストセラーになったことも、早期留学の夢をあおった。
97年にアジア通貨危機に直面し、低迷していた早期留学が再びブームとなったのは、2000年に政府が「小中高校生の早期留学の全面自由化措置」を発表し、それまで芸術や体育分野で優れた生徒など、特殊なケースだけに認められていた早期留学の資格が、分野を問わずに与えられてからだ。
早期留学者の数は、05年に初めて2万人を超え、06年には前年比約50%増加し3万人に迫るなど、「早期留学全盛期」を迎えた。
これらの早期留学者のうち、相当数は法的に認められていないケースだ。教育科学技術部の「国外留学に関する規定」によると、業務や留学などで海外に駐在する保護者に同行するケース以外は、小中学生の留学はすべて違法の「未認定留学」に該当する。未認定留学者は、該当する学年の出席日数の3分の1以上を欠席すると、次の学年への進級が認められないという規定になっている。
しかし、未認定留学をしても制裁がない上、学校では学期中に留学した子どもたちが、学年末に帰国した場合、簡単な学力テストを実施しただけで次の学年に進級できるようにしており、事実上、無制限で早期留学が行われている。
呉允熙(オ・ユンヒ)記者