韓国人の早期留学が大幅減(上)

2006年に3万人近くまで増加、昨年は2万人以下に

金融危機による不況が大きく影響、期待したほど効果みられず

一部では下手な英語がストレスに、寂しさから非行に走るなどの副作用も

 2000年代以降、順調に増加傾向が見られていた早期留学生(小中高校生)が昨年大幅に減少し、早期留学にブレーキがかかったのではないか、という分析も出ている。

 国会教育科学技術委員の徐相箕(ソ・サンギ)議員(ハンナラ党)が先月24日に公開した韓国教育開発院の資料によると、昨年早期留学した全国の小中高校生は1万8119人で、2008年(2万7349人)に比べ33.7%(9230人)減少したことが分かった。中学生の減少幅が最も大きく36%(8888人→5723人)、小学生は33%(1万2531人→8370人)減少した。

 年間の早期留学生の数が2万人以下に減少したのは、04年以来6年ぶりだ。

■留学業界はすでに「不景気」を実感

 1999年に政府が「早期留学の全面自由化」措置を発表して以来、早期留学の経験がある児童・生徒は、現在までで15万人に達する。早期留学賛成論者は、児童・生徒が早いうちから外国語や国際感覚を身に付け、他国の文化を体験できるという点を長所として挙げている。一方で、早期留学は「雁(がん)家族(渡り鳥のようにさすらうことから付けられた言葉)」のように、家族の別居や外貨の浪費など、社会問題を誘発すると非難されることもある。

 長所と短所を併せ持つ早期留学が減少傾向にある中、留学業界ではその余波を既に肌で感じている。ソウル市江南区大峙洞で10年以上、留学予備校を経営しているP氏は、「ここ2、3年間で生徒数が20-30%は減ったと思う。海外の大学や大学院への進学を希望する生徒の数は以前と変わらないが、韓国国内の大学への進学が難しいために『逃避留学』を夢見る高校生や、1、2年ほど語学研修に行くという小中学生が減少した」と話した。

 大峙洞の留学予備校のK校長は、「留学業界の関係者たちは数年前から、顔を合わせれば口癖のように『大変だ』と言っていたが、今は皆『死にそうだ』と話す。不景気のせいで、留学希望者が減っているようだ」と語った。

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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