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米原の女性殺害:公判の裁判員辞退相次ぐ 「1カ月も休めない」 /滋賀

 ◇選任手続き出席は40人

 米原市の雑排水槽殺人事件の公判の裁判員選任手続きが行われた2日、大津地裁には40人の候補者が訪れた。地裁は1カ月の長期日程を考慮して県内では過去最多の180人の候補を抽出したが、この日も参加義務のある6人が欠席するなど辞退者が相次いだ。候補者からは「1カ月も休めば仕事がなくなる」という声も漏れた。【稲生陽、加藤明子、村瀬優子】

 女性会社員(当時28歳)を殺害したとして殺人罪に問われた森田繁成被告(41)の公判で、4日に初公判、12月2日に判決を予定。審理は予備日を入れて10日間。評議も6日間予定され、裁判員は今月、ほとんどの平日を費やすことになる。

 地裁によると、180人のうち91人に呼び出し状を送ったが、「重要な仕事」などを理由に辞退が相次いだ。この日は呼び出しを受けた46人中40人が地裁を訪れ、16人が仕事や精神的負担などを理由に辞退。大津市の男性(62)は「やってみたかったが、1カ月は長すぎる。自営業なので取引先の信頼もなくなる」と語った。取材に応じた候補者11人のうち、すべての審理に確実に出席できると答えたのは主婦の2人だけだった。一方、「会社が許せば参加したい。いい経験になる」と選任を希望する男性会社員(33)もいた。

 森田被告が無罪を主張していることについて、アルバイト女性(35)は「もし有罪判決を出した場合、真犯人が判明したらと思うと怖い」と話した。

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 ◇選任手続きに来た候補者の声◇

住所    職業    性別 年齢 30日は可能か やってみたいか ひとこと

大津市   会社員    男 56  ○       ○      かなりの負担だが、やってみたい

大津市   主婦     女 65  ○       ×      難しいことは分からないし、素人が決めるのは怖い

野洲市   主婦     女 66  ○       ×      被害者がかわいそうだが、自分では答えが出せない

草津市   アルバイト  女 35  ○       ×      判決後に真犯人が出てきたらと思うと不安

彦根市   会社員    男 25  ○       ○      よく知らない。証拠をみて判断する

 -    会社員    女 54  ○       ○      被害者側に肩入れしてしまわないか不安がある

東近江市  会社員    男 33  △       ○      営業職で顧客もついている。1カ月も休めるか不安

 -    会社員    女 26  △       ○      自分で判断するのは怖い。遺族に恨まれないか不安

近江八幡市 大工     男 53  ×       ○      事件自体をよく知らない

大津市   自営業    男 62  ×       ○      1カ月も休めば、仕事がなくなってしまう

彦根市   会社員    男 55  ×       ×      単身赴任なので無理。選ばれた人は大変

毎日新聞 2010年11月3日 地方版

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