滋賀・米原市し尿タンク女性殺害事件初公判 被告「殺してはいない」と全面否認
2009年6月、滋賀・米原市のし尿タンクから女性の遺体が発見された殺人事件で、4日、初公判が開かれ、森田繁成被告(41)は全面否認した。注目の裁判員裁判は、ほぼ1カ月間に及ぶ。
まっすぐ裁判官を見据え、会社員・森田繁成被告は「わたしは殺してはいません」と述べ、女性を殺害したとする起訴事実を全面的に否認した。
事件は、2009年6月、滋賀・米原市のし尿タンクの中から派遣社員・小川典子さん(当時28)の遺体が発見されたもの。
頭部には、激しく殴られたあとがあり、死因は、汚水を飲んだことによる窒息死だった。
その後、捜査線上に、小川さんの勤務先の上司にあたる森田被告が浮上した。
警察は、小川さんと不倫関係にあった森田被告が、交際のトラブルから、小川さんをし尿タンクに投げ入れ、殺害したとして逮捕し、その後、森田被告は起訴された。
殺害された小川さんの親族は「もうはらわた煮えくりかえってます」と話した。
4日午前、裁判員裁判による初公判では、傍聴券を求める人の長い列があった。
公判の冒頭、森田被告は「わたしは小川典子さんを殺してはいません」と、無罪を主張した。
冒頭陳述で、検察側は「被告は、小川さんに不倫関係を暴露され、家庭的・社会的に破滅するのを恐れていた」などと指摘。
さらに、被告の車のフロアマットから、小川さんの血液が検出されたことを証拠として挙げた。
一方、弁護側は「被告が返り血を浴びていない。目撃証言があいまい」などと主張し、争う構えを見せている。
この事件は、被告が全面否認のため、状況証拠を積み上げ、起訴へと至った。
そのため、裁判の日程もおよそ1カ月間と長く、裁判員にかかる負担の大きさも懸念されている。
判決は、12月2日に言い渡される。
(11/04 17:55 関西テレビ)