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表情変えず罪状否認 傍聴券求め335人長蛇の列 米原タンク殺人初公判 滋賀
午前10時の開廷約1時間前から、大津地裁前には傍聴券を求め335人が長蛇の列をつくり、抽選で54人が決まった。
公判開始直前、法廷に姿を現した森田被告は、上下黒色のスーツ、紺色のネクタイに身を包み、落ち着いた様子で着席し、検察官をじっと見つめた。その後、裁判長とともに裁判員6人、補充裁判員4人が法廷奥から現れ、緊張した面持ちで席に着いた。
起訴状が読まれた後、森田被告は起訴内容を否認。裁判長が「小川さんを知らないのか、それとも知ってはいるが、殺していないのですか」と質問すると、「え」と聞き返し、裁判長が再び同じことを聞くと、「はい、そうです」と返答。「後者ですね」と裁判長が確認すると、もう一度「はい」と答え、小さくうなずいた。
検察側の冒頭陳述では、被告と被害者に異性関係をめぐりトラブルがあったことや、被告の車に被害者の血痕が付着していたことなどを指摘。森田被告は視線を資料に落としたまま、ほとんど顔をあげなかった。
一方、弁護側は、森田被告が返り血を浴びた痕跡がないことや、車内から発見された血痕は被害者の鼻血などが付着したものだと反論。検察側と真っ向から対決する姿勢を示した。
裁判員による審理は予備日も含め10日間にわたり、来月2日、判決が言い渡される。被告人質問は今月10、11、15、16、17の5日間。
米原市の汚水タンクで昨年6月、長浜市の小川典子さん=当時(28)=が遺体で発見された事件で、殺人の罪に問われた会社員、森田繁成被告(41)の裁判員裁判の公判が4日、大津地裁(坪井祐子裁判長)で始まった。罪状認否で「私は殺していません」とはっきり主張した森田被告。捜査段階から一貫して否認を続けており、表情を一切変えず淡々と答えた。約1カ月に及ぶ異例の長期日程。検察側は状況証拠から立証するとみられ、裁判員の判断が注目される。