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米原タンク殺人、第2回公判 死亡直後 被害者母、被告に電話 滋賀
■被告妻「逮捕まで家族守る」
米原市で昨年6月、交際相手の長浜市の会社員、小川典子さん=当時(28)=を汚水タンクに落とし、窒息死させたとして、殺人罪に問われた会社員、森田繁成被告(41)の裁判員裁判の第2回公判が5日、大津地裁(坪井祐子裁判長)であり、被害者の母親、被告の妻ら3人が証人として出廷。母親は、被害者が死亡した直後に、森田被告の携帯電話の請求書を見つけ、被告に直接電話をかけたが、つながらなかったと証言した。
この日証人として出廷したのは2人と、被害者の上司。検察側の尋問で、被害者の母親は、事件前、被告と面識がなかったと証言。だが、被害者が死亡した直後に、被害者の自宅部屋で、森田被告の請求書を発見。直接、携帯電話にかけたが、つながらず、長浜署から同様に電話すると、通話できたことを明らかにした。この通話で、森田被告が被害者との関係を「『親しい間柄ではない』と言っていた」とも述べた。
森田被告の妻の証人尋問では、被害者が行方不明になった昨年6月10日夜以降の森田被告の行動について、妻は翌11日午前2時過ぎに家で寝ているのを確認したとし、被告について「恐ろしいことをするような人ではない。逮捕まで家族を守っていた」などと述べた。
地裁によると、男性裁判員1人が今月4日付で解任。同日付で女性の補充裁判員1人が裁判員に選任された。解任理由について、地裁は「答えられない」としている。
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□第2回公判詳報
《検察側の証拠調べから公判が始まり、被害者の母親、被告の妻らを証人尋問》
■検察側が被告と被害者のメールを説明
検察官「(犯行があった)昨年6月10日、被告は被害者に『(被害者の)仕事が終われば迎えに行く』とメールを送信。同日午後8時43分、被害者が被告に「JR高月駅(長浜市)裏の道にずっといる」と送信。これが被害者の最後のメールとなった」
■検察側が被害者の母親を証人尋問
検察官「(事件前)被告を知っていたか」
母親「知らなかった」
検察官「被害者の様子がおかしかったことは」
母親「『信頼している人に裏切られた。あいつは裏切り者だ。絶対に許したらあかん』と電話があった」
検察官「長浜署にはいつ相談したか」
母親「6月11日昼ごろ。その後、娘(被害者)の部屋に森田繁成と書かれた携帯電話の請求書を見つけ、(被告の携帯電話に)かけたがつながらなかった」
検察官「その後は」
母親「翌12日に長浜署からかけたらつながった。森田被告は『(娘は)親しい間柄ではない。11、12日は体調不良で休んでいると聞いた』と言っていた」
■検察側が被告の妻を証人尋問
検察官「被告の昨年6月10日夜以降の行動は」
妻「6月11日午前2時過ぎに被告が家で寝ているのを確認している」
検察官「6月12日に『水曜日(6月10日)何があったの』『いろんなこと大丈夫』とメールを送信しているが意味は」
妻「体調が悪いことなどを気にしていたため」
検察官「6月10日以降の行動をメモしておくよう被告にアドバイスしたか」
妻「はい」
検察官「いつごろか」
妻「マスコミが家に来るようになった14日ごろから」
検察官「なぜ6月10日以降と指示したのか」
妻「6月10日以降に事件があったと新聞で報道されていたから」
検察官「(実際の死亡推定時刻は昨年6月10日午後9時ごろから11日午前1時ごろだが当時は)新聞では死亡推定時刻が11日午後8時以降となっていたが」
妻「覚えていない」
■弁護側が妻を証人尋問
弁護人「6月11日に被告は(自宅)裏の洗濯機に何か入れていたか」
妻「前日に着ていたTシャツなどを入れていた」
弁護士「衣類に血はついていたか」
妻「いいえ」
弁護士「被告は殺していないと思っているか」
妻「恐ろしいことをするような人ではない。6月14日以降も逮捕まで家族を守り、子供と戯れていた」
男性裁判員「(被告が衣類を入れた)裏の洗濯機の使用頻度は」
妻「外の洗濯機はめったに使わない。年数回」
女性裁判員「被告はいつも帰宅が遅いのに、6月11、12日に帰宅が早かったことをどう思った」
妻「めずらしいねと言った。違和感はなかった」