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認知症治療薬、一つのまま 8年ぶりガイドライン改定

2010年11月4日3時3分

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 日本神経学会など6学会が「認知症疾患治療ガイドライン」をまとめた。2002年以来の改定だが、アルツハイマー型認知症に使える薬は従来と同じ一つだけで、薬以外の対応策の情報を充実させた。海外ではほかに三つの薬が広く使われている。日本は薬の導入体制が遅れているという問題も改めて浮き彫りにした。

 認知症患者は全国に約220万人。25年後には330万人を超えると推計される。

 国内でアルツハイマー型認知症の薬として承認されているのは1999年発売の「アリセプト」しかない。海外ではアリセプトと同様に脳内の神経に情報を伝える物質の分解を抑える「ガランタミン」と「リバスチグミン」、脳の神経細胞が壊れるのを防ぐ働きのある「メマンチン」が使われている。

 日本でもようやく今年、この3薬について薬事法にもとづく製造販売の承認申請がされた。審査は1年ほどはかかるため、指針は認知症の早期診断や予防法など薬以外の対応を幅広く採り上げた。3薬は有効性を示す科学的な裏付けがあるとし「本邦未発売」とただし書きで紹介した。

 指針作成の責任者、中島健二鳥取大教授(脳神経内科学)は「限られた治療法の中で最善の治療をするための指針として医療現場で活用してほしい」と話している。(岡崎明子)

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認知症
治療薬

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