尖閣諸島沖で起きた中国漁船による衝突事件の映像が流出した問題で、石垣海上保安部では、問題の映像が記録用のディスクなどに繰り返しコピーされ、映像の国会提出が決まった先月18日までは1か月以上もの間、厳重な管理が行われていなかったことがわかりました。この間は、多くの職員が映像を取り扱える状態だったということで、海上保安庁は、当時の保管状況について、さらに調査を進めています。
この問題で海上保安庁は、沖縄県の石垣海上保安部などに情報システムに詳しい職員ら13人を派遣して、映像の保管状況などの調査を進めています。問題の映像は、石垣海上保安部の職員が事件の発生直後に、内部の研修用などのために編集したおよそ44分間のものですが、その後の調査で同じ映像のコピーが次々に見つかり、検察庁に提出した以外にも同じものが繰り返しコピーされていたことがわかりました。さらに海上保安庁では、映像が国会に提出されることが決まった先月18日以降、馬淵国土交通大臣が映像の管理の徹底を指示していますが、石垣海上保安部では、それまでは衝突事件から1か月以上もの間、厳重な管理が行われていなかったこともわかりました。この間は、捜査を担当する警備救難課の職員や巡視船の乗組員など、多くの職員が問題の映像を取り扱える状態だったということです。中には「映像をどう取り扱ったか記憶がはっきりしない」と話す職員もいるということで、海上保安庁は、職員の証言をパソコンの記録と照合するなどして、コピーされた本数や当時の保管状況についてさらに調査を進めています。