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【安全保障読本】(46)「米国に言われる筋合い」の思いやり予算 訂1 (1/3ページ)

2010.11.7 20:31

 在日米軍駐留経費を一部負担する俗称「思いやり予算」は1978年に始まったが、実ははるか以前から存在した。幕末の1865年にまでさかのぼるが、国際情勢に疎くとも、日本のサムライたちは、民主党政権とは比べものにならぬほど外交・安全保障面ではしたたかだった。

 幕府は1863年、英仏軍に外国人居留地(横浜)の警備権を認めてしまった。理由は、米国に頼り過ぎる現代日本の外交・安保姿勢宜(よろ)しく誠に情けなかった。尊皇攘(じょう)夷(い)派浪士によるテロを不安視する列強からの圧力を受け、逆に尊攘派テロから自らを守る「助っ人」に利用しようと考えたのだ。

 しかし、列強は軍部隊駐留を「一時的」とした約定を違(たが)えて居座った。かくして居留地に英陸軍800人と仏海兵隊300人が「常駐」。操練・射撃場や武器庫、兵舎まで建てたが、経費はすべて幕府に回ってきた。力関係といい、実態といい、まさに「思いやり予算」だった。

 帝国主義時代の列強による砲艦外交の悪(あく)辣(らつ)ぶりに驚(きょう)愕(がく)したであろうが、ここからが漁船船長をめぐる中国の恫(どう)喝(かつ)外交に屈した民主党政権とは一味違っていた。どのみち居座られるのであれば、英陸軍から歩兵調練を受けてやろうと64年、逆提案に打って出たのだ。

 幕府は洋式歩兵部隊を創設したものの、家格が高い順に大身旗本が各司令官を務めていた。彼らは軍事的素養もなく、お飾りにすぎなかった。

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