2006年10月2日
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ロシアのカレリア共和国で、違法に伐採された木材がフィンランドの製材会社ストラエンソ社などの工場に搬入され、木製品となって日本市場などへ輸出されている事実をグリーンピースは独自の調査によって明らかにしました。これは、2006年6月〜8月に、スタッフが現地調査を行い、ロシアで違法伐採された木材取引の実態を調査レポート「森林破壊の連鎖:フィンランドの工場へ搬入されるロシア違法材」(英文)にまとめたものです (注1) 。
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今回の調査では、ロシア連邦北西部、フィンランドと国境を接するカレリア共和国で、多くの木材が森林法や環境法を犯して伐採されていることを確認しています。違法に産出された木材は、日本にも支社を持つ欧州の大手製材企業ストラエンソ社やUMP社の工場へと搬入されています。ロシアの連邦法では、環境影響評価の際に、林業や環境分野の専門家、市民団体による審査を義務付けていますが、カレリア共和国での森林伐採は、これらを行わないまま進められているため、明らかに連邦法に違反しています。(これと同様の件がロシア極東地域で発覚した際には、伐採停止の処置となっています。)また、調査レポートでは、ロシア連邦法に反する行為として、他にも以下の点を指摘しています。
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これら違法材が搬入される工場で生産された木製品は、近隣のヨーロッパ諸国のみならず日本市場にも輸出されており、違法材を使用するストラエンソ社Kitee工場の場合は、生産される木製品の45%以上が、日本で消費されているのです。また、飲料用パッケージなどを生産する紙製品供給会社テトラパック(Tetra Pak)社やエロパック(Elopak)社などの製品に関連する工場でも、これら違法材が使用されていることが確認されています。
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欧州連合では現状の違法伐採対策が、自主的な規範であり不十分なため、議員の間にも、対策を強化し違法材輸入を禁止する法案提出の必要性が認識されてきていますが、今日までに何の行動もとられていません。これに対しグリーンピースを含む多くのNGOは、早急な法案提出を訴えています (注2) 。
一方、日本政府は、グリーン購入法のもとで「木材・木材製品の合法性、持続可能性の証明のためのガイドライン」を2006年4月に策定していますが、輸入段階での違法伐採対策にはなっておらず、違法材を排除する効果には不十分な内容となっています。日本政府が、違法材輸入を禁止する効果的な対策を打ち出さなければ、このロシアでの違法伐採の事例にみられるように、私たち日本の消費者は、原生林破壊に加担してしまうことになり、それはすなわち絶滅危惧種を含む野生生物が生息する森林が分断し、生物多様性を消失させていき、同時に、住民の生活環境にも影響を与えることになるのです。
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「ここ(カレリア)で、こうした伐採は行なわれるべきではありません。ここの伐採業者剥、適切な伐採方法を知らず、森林を根こそぎ切っています。このような伐採方法はやめるべきです。生活から森林が奪われていくカレリアの国民の一人として、私は森林伐採に反対です。この森の機能が"ヨーロッパの肺"と表現されるならば、その肺はあとわずかしか残っていないのです。」アレクサンダー・タリヤ氏(カレリア共和国 植物学者兼農場経営者)
注1:グリーンピース・調査レポート
「森林破壊の連鎖:フィンランドの工場へ搬入されるロシア違法材(英文)(Partners in Crime: A Greenpeace Investigation into Finland's Illegal Timber Trade with Russia)」
注2:2006年9月19日公表 欧州NGOによる共同声明(英文)
Controlling timber imports into the EU - Joint NGO Statement