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野沢那智さん死去…吹き替えなどで一世風靡 (2/2ページ)

2010.10.31 05:04
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野沢那智さん死去…吹き替えなどで一世風靡
野沢那智さん【フォト】

 海外俳優のイメージに合った甘い声で親しまれた野沢さん。二枚目も三枚目もこなす幅広い“声域”で、洋画ファンやアニメファンの心をつかんできた。ラジオの深夜放送では軽妙なしゃべりで人気を博したオールドファンには懐かしいあの声が、もう生では聴かれない。

 マネジャーによると、野沢さんは1年ほど前から体調を崩し、今夏受けた精密検査で肺がんを患っていることが判明。8月から都内の病院に入院し、抗がん剤投与などの治療を続けてきたが、容体が回復しないため、今月26日に別の都内の病院に転院していた。

 が、次第に衰弱して話ができなくなり30日、妻の麗子さん(71)、長男の声優で俳優、野沢聡(そう=33)ら親族、92年に設立した俳優声優養成所の生徒ら総勢約30人に見守られ、静かに息を引き取った。

 以前はヘビースモーカーだったが、7年前に禁煙。体調に気を配りながら、仕事をこなしてきたが…。声優としての最後の仕事は昨年12月、映画「16ブロック」の主演俳優、ブルース・ウィリス(55)の吹き替えだった。

 もともとは舞台美術家志望だったが、国学院大政経学部を中退後、演劇を志し、複数の劇団を経て劇団「薔薇(ばら)座」を結成。演出家、俳優として活躍した。

 声優としては、65年から放送されたスパイドラマ「0011ナポレオン・ソロ」の軽妙な吹き替えで一躍人気に。アラン・ドロンの映画はほぼすべて担当し、アニメ「ベルサイユのばら」のフェルゼン役などもこなした。

 67年からTBSの深夜ラジオ番組「パック・イン・ミュージック」のパーソナリティーに。コンビを組んだタレント、白石冬美(69)とは“ナッちゃんチャコちゃん”の愛称で15年間、熱心なリスナーに親しまれた。

 女優で声優の戸田恵子(53)の恩師としても有名。かつては「人に聞くな。自分で恥をかけ」を信条に厳しい指導で知られたが、約150人の教え子たちに最近は優しく丁寧に教えていたという。

 7月ごろまで教壇に立ち続け、病床でも「必ず治して戻るからな」が口癖だった。今ごろは、天国で教え子たちの巣立つ姿を楽しみにしているに違いない。



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