日野市立病院で96年に診察を受けた日野市平山4、無職、岡部利雄さん(65)が、心筋梗塞(こうそく)の症状の発見が遅れて後遺症を負ったとして、日野市と当時の担当医に約4000万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が地裁立川支部であり、市川正巳裁判長は担当医の注意義務違反を認め、市と担当医に約1308万円を支払うよう命じた。
判決によると、岡部さんは96年8月11日、心筋梗塞を発症し、同病院に搬送された。心電図検査など適切な処置がされず、心筋梗塞の発見が遅れたために、心臓機能低下などの後遺症を負った。10キロ以上の物を持てないなど労働能力を79%失ったとしている。
判決後、岡部さんは「病院の非を認めたということで喜んでいます」と話した。
市立病院総務課の中村和幸課長は「判決文を見ていないのでコメントは控える」と話している。【喜浦遊】
〔都内版〕
毎日新聞 2010年10月29日 地方版