鹿児島市で高齢の夫婦を強盗目的で殺害したとして、強盗殺人罪などに問われた無職、白浜政広被告(71)の裁判員裁判の初公判が2日、鹿児島地裁(平島正道裁判長)で開かれた。白浜被告は「絶対にやっていません」と起訴内容を全面的に否認、無罪を主張した。
被害者が2人であることなどから、検察側は死刑を求刑する可能性がある。裁判員選任から判決までの日程は裁判員裁判で最長の40日間で、裁判員の負担は重くなる。
初公判に臨んだ6人の裁判員は男性4人と女性2人。補充裁判員4人(男性3人、女性1人)も入廷した。
白浜被告は捜査段階から容疑を否認しており、法廷で「私は事件現場といわれる所に一度たりとも行ったことがありません。ましてや強盗殺人といわれるようなことを私は絶対にやっていません」などと述べた。
検察側は冒頭陳述で、被害者宅への侵入口とみられる窓の破れた網戸から採取した細胞片のDNA型が白浜被告と一致したことを明らかにした。この窓の割られたガラスや物色された整理ダンスから検出された指紋や掌紋も、被告のものと一致したと指摘。現場の壊れた時計などから犯行時間を昨年6月18日午後7~9時ごろと推定した。
一方、弁護側は「凶器とされるスコップに指紋はない」として「被告が犯人という直接証拠はない」と主張。「被害者の顔見知りで恨みをもった真犯人がいる。指紋なども物取りの犯行に見せ掛けるための真犯人のねつ造」とした。「被告でない不審者を現場周辺で見たとの第三者の証言もある」とも述べた。
起訴状によると、白浜被告は昨年6月、金品を奪う目的で鹿児島市下福元町の無職、蔵ノ下忠さん(当時91)方に侵入。蔵ノ下さんと妻、ハツエさん(同87)の顔や頭を金属製スコップで殴り殺害したとされる。
白浜被告は事件発覚の10日後、殺害現場に残っていた指紋が一致したなどとして逮捕された。
審理は17日の第10回公判で論告求刑後に結審。裁判員と裁判官による約3週間の評議を経て、判決は12月10日の見通し。
同地裁は辞退希望者が多数に上る可能性を考慮し通常の約4倍の450人を裁判員候補者に選定。異例ともいえる約8割の人に辞退を認め、初公判に先立つ1日の裁判員選任手続きに呼び出したのは46人にとどまった。このうち34人が出席、出席率は約74%だった。
被告、殺害、強盗殺人、裁判員、高齢夫婦、裁判、事件現場、DNA、地裁、被害者
日経平均(円) | 9,159.98 | +5.26 | 2日 大引 |
---|---|---|---|
NYダウ(ドル) | 11,124.62 | +6.13 | 1日 16:30 |
英FTSE100 | 5,694.62 | +19.46 | 1日 16:35 |
ドル/円 | 80.56 - .58 | +0.11円安 | 2日 15:10 |
ユーロ/円 | 112.21 - .26 | -0.24円高 | 2日 15:10 |
長期金利(%) | 0.940 | -0.005 | 2日 14:56 |
NY原油(ドル) | 82.95 | +1.52 | 1日 終値 |
経済や企業の最新ニュースのほか、大リーグやサッカーなどのスポーツニュースも満載 詳細ページへ
日経ニュースメール(無料)など、電子版ではさまざまなメールサービスを用意しています。
(詳細はこちら)