キリュン電子非正規職立てこもり、5年ぶり妥結
十数人、正規職切り替えに合意
非正規職の労働組合員たちが5年余りにわたり工事を占拠し立てこもり、「非正規職闘争のシンボル」と言われた「キリュン電子問題」が、立てこもり開始から1895日目にして妥結した。
キリュン電子の労使は1日、国会で調印式を行い、解雇された非正規職者で立てこもりを行った十数人を正規職に切り替え、一定額の慰労金を支払うことなどで合意した。
複数の労働団体関係者は、「キリュン電子から同社跡地(ソウル市衿川区加山洞)を購入した企業が団地型工場の建設を推進したが、長期立てこもりで難航、損害賠償請求訴訟を起こす動きを見せたため、使用者側が合意した」と見ている。
ある労働団体関係者は、「組合員たちが工事現場で作業できないようにするため、使用者側が事実上、組合員たちに屈服したもの」と語った。しかし、キリュン電子のキム・ヨンチャン取締役は、「統合と共存の概念に基づき、労使が互いに譲歩し合ったものであって、会社が圧力を受けたり、屈服したということは全くない」と話している。
キリュン電子問題は2005年7月、人材派遣会社から派遣された労働者約200人が「違法派遣」と判断されたことから始まった。労働者たちは非正規職の労働組合を設立、「元請け企業であるキリュン電子は自分たちを採用し、正規職にしろ」と要求し、ソウル市衿川区加山洞にある工場を占拠した。
その後、占拠を実行した組合員のうち32人に対し、人材派遣会社が解雇を通知すると、労組は「不当解雇」として個別に訴訟を起こした。しかし、裁判所は「不当解雇ではない」との判決を下している。
このころから、民主労働党などの政党や社会団体が問題解決のため仲裁に乗り出したが、結局失敗に終わり、立てこもりは5年間余りにわたった。その間、キリュン電子は経営陣が3度交代し、韓国国内の生産工場も中国に移転した。
08年の李明博(イ・ミョンバク)政権初期には、「立てこもりに加わった組合員十数人に対し、職業訓練を行い、就職させ、慰労金を支払う」という合意案に署名寸前まで行ったが、最終段階の慰労金の額で折り合いが付かず、決裂していた。
郭彰烈(クァク・チャンリョル)記者