2010年9月3日 20時24分 更新:9月3日 22時27分
08年のリーマン・ショック後に落ち込んだ国内の新車販売を底上げしてきた「エコカー補助金」は、駆け込み需要で予算(5837億円)が底をつき、9月末の期限を待たず終了することが確実な見通しとなった。交付を担当する次世代自動車振興センターによると、2日現在で予算の93%を消化し残額は約410億円。直近の1週間は、1日あたり30億~40億円程度の申請を受理しており「早ければあと10日程度で終わる」(経済産業省)見通しだという。
一定の燃費基準を満たした新車購入に最大25万円を支給する同補助金は、昨年4月に導入。今年3月末に期限を迎えたが、景気下支えのため9月末までに延長された。補助金効果もあり、国内の新車販売台数(軽自動車含む)は昨年9月以降、前年同月比でプラスが続いている。
1日あたりの補助金申請額は7月まで20億円弱で推移してきたが、駆け込み需要で8月末には40億円を超えた。期限前終了に現実味が出てきたため、富士重工業や三菱自動車などの系列販売店では、補助金を受け取れなかった場合は相当額の値引きを行うことを確約するなどして客離れを防ぐのに躍起になっている。
一方、日本自動車販売協会連合会は駆け込み需要の反動で、今年度下半期(10月~来年3月)の新車販売が前年同期比23%減になると見込んでいる。このため、各メーカーは販売店に奨励金を出して販売を下支えするほか、トヨタ自動車が10月の1日あたりの国内の生産台数を9月の計画より2割減らすなど、各メーカーとも減産を計画している。【宮崎泰宏】