2010年9月3日 20時31分 更新:9月3日 23時42分
【ユジノサハリンスク大木俊治】ロシア極東サハリン州の州都ユジノサハリンスクにある郷土史博物館で、45年8月の日ソ戦で使われた旧日本軍の戦車が展示され、市民の関心を集めている。
三菱重工製の「95式軽戦車ハ号」で、日ソ戦最大の激戦地となった千島列島最北端の占守(シュムシュ)島に放置されていたものをサハリン州が搬送し、塗装を施して復元。ロシアが「第二次世界大戦終結の日」と定めた9月2日に合わせて展示を始めた。
復元を発案・指揮した州政府文化庁顧問の歴史家イーゴリ・サマーリンさん(50)は展示の目的について「戦争の記憶を後世に残すため」と話している。
「ハ号」は長さ約4メートル、幅約2メートル、総重量7.1トン。定員3人で最大速度40キロ。
占守島では日本の無条件降伏表明後の45年8月18日、旧ソ連軍と日本軍との間で激しい戦闘が行われ、日本側200~300人、ソ連側800人以上が戦死したとされている。