2010年9月3日 11時14分 更新:9月3日 12時32分
一緒に合成麻薬を服用して容体が急変した女性を放置して死なせたとして、保護責任者遺棄致死など4罪に問われた元俳優、押尾学被告(32)の裁判員裁判で、東京地裁(山口裕之裁判長)は3日午前、裁判員6人と補充裁判員3人を選任した。有名人が裁かれる初の裁判員裁判で、候補者らは緊張した面持ちで地裁に入った。初公判は午後1時半に開廷、評議を含め8日間の審理を経て17日に判決が言い渡される。
「押尾被告の裁判だと初めて知りました」。午前9時前、地裁前で取材に応じた裁判員候補者の男性は驚きを隠さなかった。地裁からの呼び出し状には地裁の担当部と公判日程が書かれている程度だったという。「どんな事件でも、選ばれたら客観的に事実を見て判断するだけです」と淡々と話した。
地裁は7月の公判前整理手続き後、この裁判の裁判員候補者を計90人選定。70歳以上で高齢を理由に辞退を認めた人らを除き、34人が参加義務のある候補者となった。3日はこのうち27人が手続きに出席、参加率は79%だった。候補者は地裁職員から事件概要の説明を受け、質問票に被告との面識の有無などを記入。その後、山口裁判長が辞退希望などについて質問した。
傍聴希望者も地裁前に多数詰めかけた。小学校時代から押尾被告のファンという女性(19)は「いつも『信念を貫く』と言っているので、法廷でも思ったことを正直に語ってほしい」と話した。
押尾被告は保護責任者遺棄致死罪など、起訴内容の一部を否認する方針。【伊藤直孝】