2010年9月3日 2時30分
昨年大流行した新型インフルエンザ(H1N1)で、日本の感染者の死亡率が他国に比べて大幅に低かった原因は治療薬の早期投与とする分析を慶応大病院小児科とけいゆう病院(横浜市)がまとめた。香港で始まったインフルエンザ国際会議で3日、発表する。
両病院は09年6月~10年1月に入院した1000人の子ども(平均6.4歳)を調べた。それによると、死亡したのは1人で致死率は0.1%、約98%(984人)がタミフルなどの治療薬を使用。このうち発症時期が分かった667人のうち約89%(593人)が投与期間とされる発症48時間以内に処方されていた。米国やアルゼンチンでも患者の8割近くが治療薬を使用しているが、48時間以内の処置は5割以下、致死率は5~7%というデータがある。【関東晋慈】