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病院見学バスツアー:地域医療の担い手来たれ 県が来月実施 /兵庫

 ◇現状や課題体感、現場との意見交換も

 県は慢性的な医師不足解消を目指し、過疎地や地域での医療に関心のある県内の医師を対象にした見学バスツアーを来月実施する。厚生労働省が9月に発表した実態調査でも、県内で1000人近い医師が不足していることが判明。今回のバスツアーで地方病院の置かれた現状や地域の抱える課題を実際に体感してもらうことで、新たな地域医療の担い手として名乗りをあげてもらおうという作戦だ。【石川貴教】

 バスツアーは、休職中の医師らを登録し、就職や派遣を促す県医師会(川島龍一会長)の「ドクターバンク事業」の一環として実施。過疎地や地域の医療に関心のある医師や医療関係者に、医師不足に悩む病院の典型例として、加東市民病院(加東市)と西脇市立西脇病院(西脇市)を視察してもらう。現場の医師らから話を聞いたり意見交換もする。

 今回の視察先となった市立西脇病院は昨年11月に改築されたが、小児科と産婦人科の常勤医は2人、眼科は1人で、手術や入院などの対応が十分しにくいのが現状。特に、循環器内科の常勤医は数年以上前からゼロの状態が続いている。同病院は「本当は何とかして常勤医を増やしたいのだが……」と明かす。

 厚労省が全国の病院と分娩(ぶんべん)を扱う診療所を対象に実施した「必要医師数実態調査」によると、県内の医師は現在延べ7000人以上いるが、少なくとも986人の医師が不足していることが判明。特に不足が深刻な分娩を取り扱う医師に限ってみると、延べ300人以上の医師数に対し、30人足りていない。都市部に比べて過疎地や地方はさらに顕著だ。

 07年度に始まったドクターバンク事業では、9月30日現在で317の医療機関から720人の求人に対し、求職者数は121人。540件の引き合わせの結果、延べ53人の就業につながった。バスツアーは今年で4年目だが、県医務課は「今回のツアーで地域医療の現場に興味を持ってもらえれば」と話す。

 バスツアーは11月7日午前9時から午後4時半で、参加費は無料。申し込みは同2日まで。問い合わせは県医師会ドクターバンク事務局(078・231・4114)。

〔神戸版〕

毎日新聞 2010年10月28日 地方版

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