秋季練習で長谷部(手前)の投球を見る楽天の星野新監督=1日、Kスタ宮城(了)
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岩隈の抜けた穴は長谷部で埋める!! 楽天の星野仙一新監督(63)が1日、仙台市のKスタ宮城で始まった第2次秋季練習に合流。早速、チーム改革に着手した。選手への指導はコーチ陣に任せたものの、今季3勝5敗と振るわなかった左腕の長谷部康平投手(25)に言及。北京五輪アジア予選で縁があるだけに「本来の姿に戻さなきゃいけない」と再生を約束した。
ネットピッチングの練習を続けていた長谷部に闘将の鋭い目が向けられた。背後に陣取った星野新監督はギロリとにらみを利かせ、その一挙手一投足に目を配った。
「長谷部の一番いい時期を知っている。プロの壁はあったが、アイツならいいものが出せるという思いがあった。阪神でSDだった時も気になっていた」
実は楽天生え抜きの長谷部も星野チルドレンの一人。2007年8月の北京五輪プレ大会に選ばれ、同年12月にはプロ選手で構成されたアジア予選では唯一アマチュア(当時愛工大)から選出された。それがプロ入りしてからは実働3年で通算わずか9勝。プロ入り直後に判明した左ひざ半月板損傷が影響した可能性もあるが、「何やってんだという思いだった。監督を引き受けた時にコイツをものにしたい、本来の姿に戻さなきゃいけないと一番思ったね。もったいない」と再生させることを誓った。
ただ、楽天ではコーチ陣に指導を任せることに決めている。「僕は指導しません。コーチがつくり上げたものを、僕がいただき、どうやって生かすか。投手には口出しをしたくなるんだけどね」。この日も長谷部へのアドバイスは佐藤投手コーチを通じて行い、ほかの選手を含め、練習開始後に面と向かって会話することはなかった。
「基本的には長谷部は頭(先発)。スタミナ、コントロール、球数とかで振り分け、適性を見る。ただ、投手陣については全部白紙。色眼鏡では見ない」。特にエース岩隈がポスティングでメジャー移籍することが確実なため、先発陣のてこ入れは最大課題。闘将自らが逸材と認めた長谷部の尻をビシッとたたき、ポスト岩隈に育て上げる。 (鶴田真也)
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