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【プロ野球】

マエケン 沢村賞 セから6年ぶり

2010年11月2日 紙面から

 プロ野球創設期の名投手、故沢村栄治氏を記念した「沢村賞」の選考委員会(土橋正幸委員長)が1日、東京都内で開かれ、セ・リーグの最多勝、最優秀防御率、最多奪三振に輝いた広島の前田健太投手(22)が初めて選ばれた。セの投手の受賞は04年の川上憲伸(中日)以来6年ぶりで、広島勢の受賞は91年の佐々岡真司以来。前田健は今季、28試合で215イニング2/3を投げ15勝8敗、防御率2・21、勝率6割5分2厘、174奪三振をマークした。先発完投型の本格派を対象とする沢村賞の選考基準は15勝、防御率2・50、200投球回、10完投、150奪三振、25試合、勝率6割の7項目で、前田健は完投(6)以外の6項目をクリアした。

 吉報が届いたのは、宮崎県日南市で行っている秋季キャンプの練習中。「おめでとう」。野村監督に呼び止められ、受賞を知らされた。「びっくりしたのと、うれしい気持ち」。前田健は指揮官が差し出した右手を握りかえし、表情をほころばせた。

 プロ4年目で初の開幕投手を務め、5月に月間MVPを初めて受賞し、オールスター戦に初出場。そして最多勝、最優秀防御率、最多奪三振の「投手3冠」。今季大きく飛躍した「マエケン」が、最高の栄誉で有終の美。

 最終登板から約3週間たった10月下旬、22歳の右腕が素直な思いを口にした。「(沢村賞は)あまり期待していない。だから、(発表日まで)緊張もしない」。あくまでも自然体。それは、今季の成績に絶対の自信を持っている証しと言えた。

 沢村賞の選考基準7項目のうち、「10完投以上」を除き条件を満たした。両リーグ最多の215イニング2/3を投げ、防御率は2点台前半。打線の援護が少ないチームにあって、孤軍奮闘だった。

 直近で「3冠」を獲得した06年の斉藤和巳(ソフトバンク)をはじめ、99年の上原浩治(巨人)、90年の野茂英雄(近鉄)、85年の小松辰雄(中日)も沢村賞に選ばれている。前田健が選考委員に与えたインパクトは大きかった。

 4年目で初めて手にした栄誉にも、「チームは5位に終わったし、クライマックスシリーズとか優勝争いをしてみたい」と話した前田健。黄金世代の先頭に立つ右腕は、個人タイトルだけでなく、何よりもチームの勝利に飢えている。

 

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