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レアアースの供給多角化 日米外相、尖閣も安保条約適用 '10/10/29

 【ホノルル共同=出口朋弘】前原誠司外相は27日夕(日本時間28日午後)、クリントン米国務長官とハワイで会談し、中国からの輸出が停滞したレアアース(希土類)の安定確保に向け、供給源の多角化を図ることで一致した。クリントン氏は会談後の共同会見で、沖縄県・尖閣諸島が日本防衛義務を定めた日米安保条約5条の適用対象になると重ねて明言。日米協調のアピールで、漁船衝突事件が起きた尖閣周辺を含めて海洋進出の動きを強める中国側をけん制した形だ。

 会見で、クリントン氏はレアアースに関し「供給源が一つでは災害などが起きたときに供給が止まってしまう。世界がもっと供給源を追求すべきだ」と指摘。前原氏も「中国のみに依存するのは適切でなかった。日米が連携、協力しながら多角的な資源外交を行う」と強調した。

 尖閣諸島についてクリントン氏は「はっきりあらためて言いたい。尖閣諸島は安保条約5条の範囲に入る。日本国民を守る義務を重視している」と述べ、前原氏は「勇気づけられた」と応じた。

 日本政府が環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)の交渉参加を検討していることについて、クリントン氏は「歓迎し、後押ししたい」と表明した。ただ米政府は日本が参加した場合に最終合意が遅れることへの懸念を日本側に非公式に伝えており、クリントン氏はこれ以上の言及を避けた。

 会談では、米軍普天間飛行場の移設先を沖縄県名護市辺野古崎とした5月の日米合意を再確認。日米同盟の深化に絡み、前原氏は「日本防衛や周辺事態で、より円滑な日米協力を実現するため協議を深めたい」とした。

 これに先立ち、前原氏はウィラード米太平洋軍司令官と会談。旧日本軍の真珠湾攻撃による戦死者も埋葬される国立太平洋記念墓地で献花した。




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