このページの本文へ


時代を読む新語辞典

自転車シェアリング

IT利用で現実的になった「自転車の共有」

2010年2月12日 コメント(2件) 携帯転送 総合RSS  はてな

(もり・ひろし=新語ウォッチャー)

[画像のクリックで拡大表示]
イラスト:小林大樹

 都市内の新しい移動手段として、自転車シェアリング(バイクシェアリング、コミュニティサイクルなどともいう)が注目されている。地域内に複数ある拠点で、好きなときに好きな場所で、自転車を借りたり返したりできるサービスだ。近年IT(情報通信技術)を応用した事業モデルが欧州で急速に普及。日本でも社会実験や事業化などの動きが活発化している。

 自転車シェアリングという言葉を聞いて「レンタサイクルとの違い」について疑問を感じた人もいることだろう。実際、自転車を貸し出す仕組みという意味において、自転車シェアリングは「広義のレンタサイクルの一種」と見なすこともできる。

 ただ厳密に言うと、レンタサイクルの仕組みは運用法において二種類に分類することができる。一つは貸出や返却の拠点が一個所にまとまっている運用法で、これを狭義のレンタサイクルシステムと呼ぶ場合もある。もう一つは地域内に複数の拠点が分散している運用法で、これをコミュニティサイクルシステムと呼ぶ場合もある。自転車シェアリングと表現する場合、後者を志向している場合が多い。

 このような運用法の違いは、旧来のレンタサイクルと、現代的な自転車シェアリングとの「目的の違い」によって生じている。まず旧来のレンタサイクルは多くの場合、観光客へのサービス提供を大きな目的としていた。このため駅などの拠点で貸出と返却を同じ場所で行うシステムが発達した事情がある。

ページ: 1 / 2 / 3 / 4 /

最新のコメント

  1. IT型の自転車シェアリングはいい考えだが、
    その前にいろいろと解決しなくてはいけない問題がある…。

     わしの住んでいる東京では、
    1、都市全体が、自動車優先みたくなっていて、自転車利用時に、本当に危険。さらに、自転車専用レーンが全く無く、通行量が多い道路を走ることになる上に、歩道通行時は、歩道が狭すぎ、各種障害物でふさがれていたりするところが多い。
    2、横断歩道の有無に関係なく、左右の確認もせずに、横から急に歩行者・自転車等が突っ込んでくることが非常に多い。又、夜になると無灯火運転がかなりあり、そういう行為をするものに限って、各種通行ルールを守らないというのが多い。
     ↑相手が、自分の存在を認識し、停止してくれると考えているのか?

     1、の解決方法:自転車専用レーン及び道路の整備 につきると考えられる。かつ、一般自動車の都市内部への進入禁止、及び、ETCを応用したエレクトリックロードプライシング(ERP)の導入し、課金すること。(バス、タクシー、福祉用途自動車などを除く。)

     2、の解決方法については、根本的な方法が無い。

     といったような諸問題の解決をした方が先であるだろう。(2010年03月19日・YAMATOMO)

あなたのご意見をお聞かせください

この講座のオススメ記事

このジャンルのオススメ記事


Associe Online はこちら
無料お試しキャンペーン実施中

ビズカレ書評

  • あなどれない新書たち

    なぜ米国で「電子書籍ブーム」は起きないのか

    今回の本はタイトルだけ見れば、「電子書籍ブーム」便乗本かと受け取られるかもしれません。しかし、内容としてはむしろその逆。日本の「電子書籍ブーム」を冷静に…〔続きを読む〕

  • 小飼弾の「Book Review 2.0」

    小飼弾:「アイデアのセックス」と「知的独占」について考える

    「知的財産」という考えの何がまずいかといえば、アイデアの交配の邪魔になること。確かに折角の子も「箱入り娘」となってしまえば、その子孫が「繁栄」する機会は…〔続きを読む〕