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耳かき店員ら2人殺害で無期懲役 裁判員ら、死刑を回避

 客として通っていた耳かき店の店員江尻美保さん=当時(21)=と祖母鈴木芳江さん=同(78)=を昨年に殺害したとして殺人罪などに問われ、裁判員裁判で初めて死刑を求刑された無職林貢二被告(42)に対し、東京地裁は1日、無期懲役の判決を言い渡した。

 若園敦雄裁判長は「何の落ち度もない2人を身勝手な動機から惨殺した責任は極めて重大で、極刑を望む遺族の思いに深く動かされた」としつつも「被告の人格は反社会的、残虐ではなく、思い悩んだ末の犯行。深く後悔しており、極刑がやむを得ないとの結論には至らなかった」と述べた。

 裁判員は男性2人、女性4人。被告は起訴内容を認めており、動機など死刑選択の要件を判示した「永山基準」に基づき量刑を議論した。今後の裁判員裁判で死刑の適否を判断するモデルケースとなりそうだ。

 裁判員だった4人と補充裁判員を務めた2人が判決後に記者会見。30代の女性は「重い判断で悩んだ。最初は反省していないと思ったが、被告は遺族の陳述を聞いて変わったと思う」と話し、30代の男性は「正直しんどかったが、最終的には自分の気持ちを大事にして判断した」と明かした。

 判決理由で若園裁判長は、犯行の原因を「相手の立場で物事を見ようとしない未熟な人格や考え方にある」と指摘した。








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