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桂花ラーメン民事再生法申請 熊本の老舗 味千が支援へ

2010年11月1日20時42分

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 熊本ラーメンの老舗(しにせ)、桂花ラーメンを展開する「桂花」(熊本市)が1日、熊本地裁に民事再生法の適用を申請した。東京進出の先駆けだったが、ラーメンの激戦に敗れた。同社によると負債総額は約12億6千万円。国内外で「味千ラーメン」を開く重光産業(同市)が支援する予定で、全13店が営業を続ける。屋号は変えない方針。

 桂花は、1955年6月の創業。68年には熊本ラーメンとして初めて東京・新宿に進出して人気を呼び、九州ラーメンを全国区に育てる一翼を担った。その後も店舗を増やし、現在は熊本県内に直営とのれん分けした計5店、東京都と神奈川県にはフランチャイズを含めて8店を抱える。

 ピーク時の2004年前後には約12億円の売り上げがあった。だが、根強いラーメンブームのもと、関東を中心にしたライバルとの競争激化で経営が悪化。10年3月期の売り上げは9億6600万円に落ち込んでいた。

 また、97年に熊本市の食品工業団地「フードパル熊本」に建設した食材の製造工場など設備投資が重荷になった。記者会見した旅井瑞代(たびい・みずよ)社長は「品質のために分不相応な投資をしてしまった。今夏の猛暑による客足減も痛かった」と話した。

     ◇

 〈ラーメン評論家・大崎裕史さんの話〉桂花ラーメンは、いわゆる「白いスープ」の九州ラーメンを東京に知らしめた店といえる。私自身も30年以上前、新鮮に味わったことを思い出す。以来、食べ続けているので大変驚いた。

 ラーメン業界は、競争激化と不景気で厳しい時代だ。例えば東京都内では、新しいラーメン店が毎月約60店は新規開店する。200〜300円台の低価格ラーメンのチェーンもはやっているし、牛丼や弁当も200円台で買える時代だ。老舗(しにせ)のラーメン店も、何か進化し続けないと取り残されてしまう状況だ。

 ただ、あの牛丼の吉野家だって(会社更生法から)復活した。桂花も熊本ラーメンの底力を見せるべく、頑張ってほしい。

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