◆ 宮崎のエロザルの田舎芝居、と私の前科者仲間、守屋前防衛事務次官をご紹介します。
2010.7.17
東国原宮崎県知事さまが「自慰を表明」されております。
ボクはこんなに一生懸命お仕事をやっているんです。
といって涙ながらの「自慰を表明」されたのでございます。
しかしながら不眠不休となって命がけ、などといっても
そんなことは全国の中小企業のお父さんからすれば、
あたり前の話でございます。
果たして宮崎のエロザルが不眠不休の働きをするようになった、
というのはいつの頃からのことでございましょうか。
五月の連休前後から数えてもまだ2ヶ月足らず、でございます。
たった2ヶ月足らずで根を上げてチョコザイなことを言うな、でございます。
全国の中小企業のお父さんはもう何年も否何十年もに渡って
この不眠不休を続けてきておるのでございます。
たかが数ヶ月の不眠不休で涙を見せるなんて、
お前さんなんの為に朝晩マラソンをやって体を鍛えてきたんだ、でございます。
エロザルの涙はチンポの先走り汁だけにしておいていただきたいのでございます。
そもそもこのエロザルが「自慰を表明」するに至った原因となった口蹄疫の問題は
自身が引き起こした問題でございます。
エロザルはこの口蹄疫の問題が拡がりマスコミに大きく取り上げられるようになってからは、
ことあるごとにその責任は「国が、国が」とホザいていたのでございますが何を言ってやがる、
事件は霞ヶ関で起きたんじゃない、宮崎の現場で起きたんだ、でございます。
当事者である宮崎県の口蹄疫に対する想像力欠如と対策へのすみやかな行動が
不十分だったために被害を大きくしてしまったのでございます。
今般の口蹄疫問題で第一義的に責任を取らなければならないのは
最前線での防疫の最高責任者であったエロザル本人でございます。
その自から負うべき責任をエロザルは「国の責任」へとすり変えようとして
パフォーマンスを続けてきたのでございます。
「お天とうさまはとっくにお見通し」でございますのに
どこまでいっても懲りない田舎芝居のエロザルなのでございます。
そしてこのたびの殺処分を拒否した道に迷った一畜産農家に加担しての
「涙をうかべて自慰表明」となったのでございます。
あろうことかエロザル、「涙の自慰表明」にあたって
「○×さんが牛が殺処分となったら死ぬといっているんです」
などということを畜産農家の名前を公にして口ばしったのでございます。
エロザルは車寅次郎でも知っていた「それを言っちゃおしめえよ」
の最低限の常識を持ちあわせておらないのでございました。
こんなエロザルに限って別れた女性のことを
「死ぬ、死ぬ、ってしがみついてどれほどおねだりをしたことか」
などと暴露してはばからならないのでございます。
○×さんがその時たとえ本当に「死ぬ」といったにせよ、
そんなこと公にするのは道義に反する禁じ手、でございます。
まずそのことを公にされて一番困るのは○×さんでございます。
自分勝手、死ねるもんなら死んでみろ、横暴野郎との非難中傷が殺到して、
それこそ本当に死んでみせなければ治まらなくなる事態を招きかねなくなるのでございます。
自分の「自慰の表明」のためなら後先も考えず「人の死」を簡単に言葉にして言う、
このエロザルの無責任な酷薄さにヘドが出る思いでございます。
エロザルは以前より「地方分権」などと言っておりましたが、
こんな統治者能力に著しく欠いた知事が治める「地方分権」など
マッピラご免こうむりたいものでございます。
自分の勝手な論理で殺処分を一ヶ月もまぬがれてきた一人よがりな畜産農家に加担して
自身の人気取りのための「お涙ちょうだい」のメッキのはげた田舎芝居を繰り拡げた
厚顔無恥なるエロザルの行動は、国家反逆罪ともいうべき重大な「罪」でございます。
国であれ県であれその最高責任者が成すべきことはいかなる人にも
「公平」である政治でございます。「正直者が馬鹿を見ない政治」でございます。
感染地域となった畜産農家の皆さまは、それこそ泣きの涙、断腸の思いで
殺処分を受け入れられたのでございます。
他の県や日本の畜産の仲間に迷惑をかけてはいけない、
という「犠牲となる心」で殉じたのでございます。
それをお前さんたちはアホウでした、といわんばかりに○×さんをかばっての
エロザルの「自慰の表明」は誠にもって許しがたきものでございました。
最後の最後に殺処分をうけ入れられた畜産農家の○×さんは山田農水大臣に
抗議書を出されたのでありました。お門違いでございます。
何故そんな恥の上塗りのようなことを○×さんにさせたのでしょう、
○×さんあなたが真に抗議書を手渡さなければならない真犯人は、
誰れであろうこのエロザルでございます、
とどうして正直に自分の首を差し出さなかったのでありましょうか。
これから先の補償金の給付の交渉にあたっては、
せいぜいエロザルはパフォーマンスに堕ちることなく、
宮崎県のみならず日本国の畜産の百年の計に照らして
間違うことない節度ある言動でのぞまれることを願うのでございます。
全国各地で豪雨による被害が続いております。特に野菜や果物の被害は甚大でございます。
豪雨に襲われて売り物にならなくなってしまったキャベツやレタスを前に茫然として
畑にたたずむ農家の人の姿をテレビが映し出していました。
この野菜農家の人たちは同じ農業従事者であっても口蹄疫と同じ天災にみまわれても
国の補償など望むことのできない人達でございます。
日本の農業生産額は約8兆円でございます。
米が約1.8兆円、野菜2兆300億円、果樹7500億円、花4000億等でございますが
米には年間約1兆円の国からの所得補償の金が支払われております。
1.8兆円の売り上げのうちなんと1兆円が我々の税金がブチ込まれているのでございます。
稲作農業はドップリと補助金漬けになっております。
よって一部の良心的米作農家を除いて真面目に米を作っている農家はおりません。
米を作っても作らなくても「減反政策」の補助金が貰え、
たとえおいしい米を作っても買い上げられる価格は同じであるなら
誰れも向上心を持って働くものなどおりません。
風俗嬢が舐める、入れる、見せるをしないでも時間が来たらお金を貰えるとなったら、
一生懸命にサービスをする者などいなくなる、それと同じことでございます。
国の政策によって稲作で惰眠を貪る農家を全国に作り出しました。
一方野菜や果樹や花の生産者農家は補助金などとは縁遠いままに
自由競争の市場で競争にさらされてきました。その結果品質が向上し生産性も上がって、
国際競争力もつきました。野菜など5.6%の関税でございますが
海外からの輸入野菜の参入を許すことなく高品質で安価なものを
国民は提供していただいておるのでございます。
野菜や果樹、花などの農業従事者は誇り高き人々、でございます。
彼等はこのたびの災難にあってもあげることなく、自分の体に鞭を打って奮闘し
ヒザを折ることはないのでありましょう。健闘を祈ります。
さて再び東国原知事さまのことにお話しを戻します。
このエロザルの行動から私たちは学ぶことがあるのでございます。
それは人様に共感していただいたり理解していただいたりするためには
決して「偉そうに」してはならない、ということでございます。
どんな場面においても「偉ぶること」なく頭を低くして愛想笑いをする、
ことができればもうあなたさまは立派な中小企業の経営者でございます。
世の中は公平だ、自分で吐いた言葉は必ず自分に返ってくる、
といわれておりますが世の中にはまたいくらたっても自分に返ってくる
「キザシのない人間」が存在しております。
税務署や信用金庫、取り引き先の担当者などがその「キザシのない人」でございます。
それらの人たちは「約束破り」「甲斐性なし」「それでもあなたは人間ですか」はたまた
「奥さんの顔が見てみたい」と中小企業のお父さんに向かって容赦がないのでございます。
よくもまあお仕事とはいえこんなヒドイ悪態をつけるものだ、
と感心するのでございますが、職業病なのでございますか、
自分より弱い立場の人間を見ると押さえ切れずに燃えてしまうようでございまして、
少しも臆するところが見られないのでございます。
中小企業のお父さんは、そうした「殺処分」を言い渡されるかのような局面にあっても
ひたすら平身低頭して頭を下げ続けるのでございます。間違ってもエロザルのように
「私だって寝ないで真剣にやっているんです!!」
などとのカマシを入れることは絶対にありません。
「許して下さい、お願いします、悪いのは私でございます」
と素直に詫びを入れながら、なんとかご機嫌を取りつくろうと必死でございます。
日本経済の土台はこうした中小企業者の一心不乱によって支えられているのだ、
とその強さの秘密をかい間見る思いでございます。
崖ぷちに追いこまれた状況でありながらも屈することなく満面の笑顔をうかべての
コビへつらう姿は、いかな劇団四季の名優でもかなわぬ千両役者ぶりでございます。
「許して下さい、お願いします」の日本語は言われた立場の人間にとって
これほど心地良い響きを持つ言葉はございません。
この「許して下さい、お願いします」の言葉で世渡りをしてリッチな暮らしをしている
人間をご紹介します。彼はVシネマの役者でございます。
元は日活映画の中堅どころの映画俳優でございましたが、現在の活動はVシネマ出演と
年に一、二度の芝居の公演の出演のギャラで生計を建てております。
年齢は60歳中ばでございます。彼は独身でございまして天涯孤独であり、
親しい親戚や身寄りは誰れもおりません。
いつも頭には毛糸のスキー帽をかぶり一年中ジャンパーをはおって下はジーンズ、
というのが彼の定番のスタイルでございます。
彼は行きつけの食堂、飲み屋、パチンコ屋、八百屋に雑貨店、の
どこへ行ってもまず開口一番この「許してね、お願いしていいですか」の言葉を
口にするのであります。実年齢は60歳中ばといっても撮影のない時は
顔のヒゲはのばし放題となっておりますのでずいぶんと老けて見えます。
それは10歳以上も年上の80も近くの年ではないか、と思われるほどでございます。
勿論彼が生活のテリトリーとしている出入りのお店の経営者の皆さまは、
彼の実年は何歳でお仕事は何んであるか承知しているのでございます。
が「今日がこの世での最後のお別れ、」と思わせるようなかげろうのような
生きることに疲れきってしまったような頼りない姿に
店主たちの「仏心」が刺激させられるのでございます。
「お金はいいから飯でも喰って行きなよ」「いっぱいごちそうするよ」
「フィーバー台を教えてやるから」「売れ残りだけどよかったら持っていきなよバナナとスイカ」
「金はあるときでいいんだから、生活に必要なものは何んでももって行きな」
と優しい声をかけてしまうのでございます。
彼はそのたびに「許して下さい、お願いしてもいいんですか」といいながら、
そのお言葉に甘えてお金を払うことなく済ましているのでございます。
それが週に何回か、ではありません。毎日なのでございます。
毎日「許して下さい、お願いしていいんですか」といっては町内会廻りをしたあげく、
ホロ酔い気分となって自宅のアパートに帰る日々なのでございます。
彼の人徳もあるのでしょう。しかし放っておけない、
とついつい親切にしてしま力が別にあるのでございます。それは彼が口グセとしている
「許して下さい、お願いしてもいいんですか」の言葉、でございます。
彼のその言葉を聞くと「ああ親切にしてやってよかったな」と店主たちの心の中が
満足感で満たされるのでございます。人は自分を知る者のために命を捨てる、といいます。
相手に自分のことを理解された、という満足感はなにごとにもかえがたい
大きな喜びなのでございます。
「お願いします、許して下さい」の言葉はまた一流のスカウトマンの常套文句でもございます。
一流といわれるスカウトマンに共通していることの一つは実に頭が低いこと、でございます。
何かあると彼等はすぐ女性に「ご免なさい、許して下さい」
と詫びを入れることに躊躇致しません。そして「お願いします、お願いします」と
ひたすら哀願してお願いを続けるのでございます。何を、あたり前でございます。
AV出演を、でございます。
上から目線で偉そうに「俺について来いよ」などというスカウトマンは、
少なくても一流といわれるスカウトマンには一人もおりません。
彼等は必要以上に、というかその必要がないのにもかかわらず四六時中
「許してね、ご免なさい」を連発して女性の心の油断を促し
「お願いします、お願いします」と心を融解することをはかるのでございます。
一般の男性の方も女性をクドかれるときこの「お願いします、許して下さい」
の作法を整えますと極めて大きな効果をものにすることができます。
万巻のクドキ本の読破など無用なことでございます。
単純にして明快、「お願いします、許して下さい」
を1000回言える精神力と体力の涵養にこそ努めるべきこと、でございます。
「ヤらせろ、いいだろう、ヘるもんじゃないし」などとの暴言は絶対駄目、禁句でございます。
ひたすら「お願いをして、お許ししていただく」姿勢を貫くのでございます。
私の場合は「ごめんなさいね、こんなおじさんで許してね、お願いだから、
一生のお願いだから、抱かせて下さい、どうにもこうにも好きになってしまって
気が狂いそうで我慢できないの、お願い、情をかけて下さい、これも運命だと思って
どうかお願いだから運命を受け入れて下さい」とベタに土下座をして迫るのでございます。
俺はムラニシだ、思い知ったか、などのタンカを吐くのは「事後のこと」でございます。
渡辺淳一先生が書かれるような着物姿の楚々とした人妻が「いや、お許しになって・・・」
と身を震わせてわななくさまを見せる、という女性は極めてマレでございます。
世の女性はもっと積極的であり攻撃的ですらあります。
そして男性の直截的な言動を好みます。理屈や論理でなく、
女心を揺さぶる情熱と言葉に飢えているのでございます。
「お願いします、許して下さい」と1000回言われて首をタテに振ることが
かなわなかった女性はアナタ様を本当に嫌いなのか、それとも罰当たりかどちらかでございます。
これ以上の「お願いコール」は中国や韓国の方に浪曲をおきかせするようなもの、
と金輪際分かっていただくことはできぬと飽きらめて、
サッサとお別れするが身の為でございます。
ともすれば偉そうぶって強引に、となりかけられたときは
あの宮崎のエロザルの顔をを思い浮かべられて下さい。
偉ぶって、傲慢に振る舞うことがいかに女性に嫌われるか、最悪の態度であるかを
思い出されて、この上のないいましめとなる筈でございます。
元防衛事務次官、守屋武昌さまが「普天間」交渉秘録(新潮社刊)、という本を出版されました。
ご案内の通り守屋さまは2007年11月に収賄の容疑で東京地検特捜部に逮捕されました。
2008年11月東京地裁で懲役二年六ヶ月の実刑判決を受け2009年12月、
東京高裁でもその量刊は支持されて、控訴は棄却されております。
現在は最高裁の判決を待つ身でございますが、実刑はまぬがれぬ状況となっております。
そうした手前どもと同じ前科者の仲間入りをすることが確実となられた守屋さまに
親近感を覚えております。親近感を覚えたついでにお仲間となられる守屋さまが
お書きになられた「普天間」本の内容を簡単にご案内致します。
このところお忙しい毎日をおすごしの皆さまであられます。
350ページに及ぶこの本をイチイチお読みになられる余裕がなきや、と推察致します。
勿論手前どもの勝手なご紹介がきっかけとなって御本をご購入いただければと存じます。
仲間の守屋さまになり変わりまして御願い申し上げる次第でございます。
さて「普天間基地」のご本の内容でございます。
これまで着々と沖縄の米国基地の返還が進みました。
沖縄の那覇市内には米軍基地は軍港しか存在せず、
普天間基地の返還がなされればそれと同時に周辺の海兵隊基地も
返還されることになっています。
その施設面積は羽田空港の四倍の面積に相当する
五千ヘクタールという壮大な広さのものでございます。
沖縄にあと残る主たる基地はカデナ基地となるのでございますが、
その前提条件である「普天間基地」の辺野古への移転の問題が遅々として進まず、
実現のきざしが見えません。それは沖縄の協力が得られないため、でございます。
鳩山発言の以前から沖縄は基地の移転の問題には非協力でございました。
何故非協力であったか、辺野古の海の環境問題以前に普天間の米軍基地が移転してしまっては
困る人達がいるから、でございます。
沖縄では基地があることで騒音や危険性などの被害をうけている人達がいますが、
そうした被害を受けている人達も、他方では基地の振興策の補助金や基地経済の恩恵
をこうむっている人達でもあるのでございます。
軍用基地に年間900億円の借料が支払われています。
年間借料が350万以上の軍用地主は六千八百人います。
米軍基地で働く日本人労働者はおよそ九千人で、給与は国家公務員の一号棒上のランクのもの
が支払われており年総額は457億にのぼります。
これ以外に沖縄県には年間三千億円前後の「沖縄復興開発事業費」が支払われています。
これとは別に沖縄駐留の陸海空自衛隊八千人の沖縄防衛局経費及び基地対策費を入れれば
年間約6000億のお金が沖縄に基地があることで支出されているのでございます。
沖縄の地理的特性から経済的自立は難しく、
基地経済に依存せざろう得ない現実があるのでございます。
読谷村で4月に行なわれた県民集会では9万人が集まったと報道されておりましたが、
会場となった読谷村運動広場は2.1ヘクタールで仮に満員となったとしても
四万五千人が精一杯と地元では言われているのでございます。
その日実際に会場に集まった人員は1万5千人と公安筋では把握しています。
マスコミが大々的に基地反対運動を取り上げるのとは違い、
現地では本根とタテ前に揺れている複雑な現実があるのでございます。
加えて基地問題を自分の金儲けの手段利権としか考えない
不呈な輩が存在しているのでございます。
はじめ普天間の基地を沖縄本島の北西に位置する伊江島にある米軍の飛行場を
使う予定で考えていました。しかしその米軍の用地は米軍が長らく使用していなかったために、
地元の人が農地として使っていたのでございます。
米軍用地として国が彼等地元の人に借料を支払っていたのにもかかわらず、
彼等はその借地料を貰いながらそこを農地として使い続けていたのでございます。
これを一般的には「二重取り」というのでありますが、いざ基地の再整備となりますと
彼等の過激な反対運動が展開されることが予想されて「伊江島案」は断念したのでありました。
続いて考えられたのが辺野古の陸地の「シュワブ陸上案」でございます。
米軍基地のキャンプ・シュワブの敷地の中に飛行場を建設する、
という海を埋め立てる必要もなく、基地のないところに基地を新たに作るワケでもなく
誠に理想的な案でございました。
がこの「理想的な案」が沖縄県北部地元有力者である仲泊弘次氏の働きによって
潰されることになるのでありました。仲泊弘次氏は沖縄県防衛協会北部支部会長であり、
名護市で総合建設業「東開発」の経営者でもあり、建設業のほかにも生コン工場も持ち、
石油や土砂の販売、不動産業、ボウリング場、宝クジ販売などを手がける
「東開発グループ」の総師者なのでありました。
氏は名護市議会にも顔が利き商工会議所などでもその発言力は大きく、
在沖米国総領事や沖縄駐留の第三海兵師団司令官などとも懇意にしていました。
仲泊氏はキャンプ・シュワブ、キャンプ・ハンセンの海兵隊の幹部を東村にある
広大な自宅に招いて、よくホームパーティーを主催しては彼等をもてなしているのでした。
その仲泊氏が動きました。仲泊氏は地元沖縄の米軍人脈はもとより、
わざわざワシントンまで出向いて行って、沖縄に勤務したことがある
米国防総省関係者に自分の独自な案を提案して理解を求めたのでした。
その案とは理想的であった「シュワブ陸上案」とはことなるキャンプ・シュワブの
海上部を埋めたてて作る「名護ライト案」といわれるものでございます。
この「ライト」とは浅瀬のことでございます。
何故仲泊氏はこの「名護ライト案」を持ち出してきたか、
「シュワブ陸上案」では儲からないから、でございます。
「シュワブ陸上案は陸地を平坦にして飛行場を造る、というもので
海上を埋めたてて作る飛行場の工事と比べて大がかりな工事ではありません。
その工事を請け負うことになるであろう地元の有力な土建業者である
仲泊氏にとっては大きな儲けを期待できず受け入れ難いものでした。
そこで仲泊氏は大規模工事となる「海上埋め立て案」を立案して
米国政府に働きかけたのであります。
その「海上埋め立て案」の今日に至る海上埋め立てに工事に必要な
ダンプカーの台数は実に550万台でございます。
総工費約一兆円のかつてない沖縄の巨大プロジェクトでございます。
この空前の大規模工事を現実のものにする為に、仲泊氏は東京においても沖縄県や名護市の首脳
を動員して官邸や外務省、内閣府、与野党の国会議員、沖縄と親しい財界人、マスコミにも
その案を熱心に説いて廻ったのであります。
かくして米国本土から米国防省副次官リチャード・ローレス氏が来日して
それまでの日米両国の合意事項であった陸上部に滑走路を建設するという案を撤回して、
1500メートルの滑走路を辺野古沖の浅瀬に造る、という「名護ライト案」を
新たに提案してきたのでありました。
意表を突かれた日本側でありましたが、米国のこの提案を受け入れて辺野古沖の浅瀬を
埋めたててそこに滑走路を作ることに同意したのでありました。
この日米合意に基づき、現地の辺野古地区を含む名護市の協力を得るために
「沖縄北部地域振興」の名目で年間100億円向こう10年間で1000億円
の国庫支出をすることを小渕恵三総理は決定したのでありました。
しかしこの「名護ライト案」は陸上案と比べてきれいな海が損なわれ
ジュゴンの餌となる藻場やサンゴの喪失の問題も懸念され、環境派の反対は目に見えていました。
強欲にかられて盲目となった地元の利権屋によって、普天間基地の移転の問題の解決は事実上
ほぼ不可能となったのでございます。
しかし国は年間100億円を提供するかわりに「辺野古地区への普天間基地移転」の
強力を取りつけた名護市の当時の島袋市長と末松助役に新たな海上埋めたて基地の
設計図を示して、米軍との間で条件でもあった地元の同意書への署名を要求したのでありました。
年間約100億円が「北部振興策費」として国庫支出されたことにより
沖縄北部十二市町村は潤っていました。名護市側は国との約束を履行して
同意書へ署名することは同然の義務でした。
ちなみに2006年はIT産業みらい3号館(約4億円)北部地域慰労支援施設事業(約8億円)
特用村産物施設事業(約9億円)IT産業「第2サーバーファーム」(約7億円)
北部地域看護者人材育成事業(約4億円)等にその100億円が振り分けられています。
それまでその「北部振興策費」によって名護市には以下のような
「大きな箱モノ」が作られています。
・人材育成センター(15億9000万円)
・名護市食肉処理施設(30億円)
・名護市産業支援センター(22億円)
・スポーツ施設(12億6000万円)
IT産業1号館、2号館マルチメディア館(55億7000万円)
ほかに地区会館や生涯学習推進センター、国立沖縄工業高等専門学校などが作られています。
施設の大半は辺野古地区とは山をへだてて反対側にある名護市の市街地に点在し、
肝心の辺野古地区にはほとんどありません。奥多摩に発電所を作る見返りに新宿や渋谷に
施設を建ててもらったようなものでございます。
国から地元の同意書へのサインを求められた島袋市長と末松助役はそのサインを拒みました。
理由は国側が提案したL字案では滑走路の南の延長線上3.6キロに豊原地区があり、
その下に住宅があって危険だから、という理由からでした。
しかし、飛行場からこの程度離れたところにある場所に住宅があるのは
日本の飛行場では当り前のことで、騒音基準上も調査では問題ないものでした。
何よりもその建物は住宅ではなく人が住んでいない農作業の小屋でした。
すると今度は名護市側は国のL字案より550メートル沖合に出すことを主張してきました。
「それほど沖合に出せば近隣の自然環境に与える影響が大きいし、
騒音や危険性を回避するために海に出す理由がない」と話に応じられない
を話しますと名護市側は「それなら市民のリコール住民投票、島ぐるみの闘争をしかける」
と脅すのでした。
毎年基地の移転を承諾することを条件として出した100億ものお金を受けとっていながら、
名護市側は交渉するつどに一度決めたことを「反対だ」と言っては振り出しに戻して
決着を引きのばすだけでした。あるときは同意書でなく確認書にしてくれ、
とダダをこねる仕末でした。そして8年もの時間が何も決着を見ることなく過ぎ
いつか滑走路の案はV字案となっていたのであります。
そうした沖縄との交渉の過程で当時の稲嶺沖縄県知事に守屋さまは首相官邸で会ったとき
「あなたはこの七年間何もしなかったじゃないか」
と詰問したら稲嶺知事はこう答えたのであります。
「守屋さん、沖縄では大きな仕事は20年かかるんですよ、石垣空港もそうだったでしょう、
あの時だってそれだけ年月がかかっても誰れも困らなかった、今回はまだ七年です、
たいしたことないじゃないですか」現に基地の問題の負担で苦しんでいる人達がいるというのに、
と守屋さまは呆きれて「それなら、沖縄県民の前でそう言いなさい」と申されたのでした。
その頃太平洋セメントの諸井相談役に守屋さまはこう言われております。
「政府は沖縄に悪い癖をつけてしまったね、米軍基地の返還などが進まなくても
カネをやるという、悪い癖をつけてしまったんだよ、もうそれでは立ち行かないと
沖縄の目を覚まさせるようなことを国はやらなければ駄目だよ」
諸井相談役は元経団連の副会長であり、沖縄の政財界からも頼りにされていた
沖縄のことをよく知っている経済人でした。
また屋部土建の前田社長にも次のようなアドバイスをうけます。
屋部土建は沖縄北部では仲泊氏の東開発とは双璧をなす大手ゼネコンでございます。
「海を埋めてそこに飛行場を作るのは、環境派が反対し実現不可能というのが沖縄では常識です。
沖縄の一部の人々は代替飛行場を作るのが難しい所に案を誘い込んで時間を稼ぎ、
振興策を引っ張り出したい。作るにしても反対運動が起きて時間を稼げるようにしたい、
それで修正案を国に提示している。国を違った方向に誘導しようとしているんですよ。
地元は疲れ果てて、どちらもいいと思っています」
前田社長はこう沖縄の本根を包みかくすことなく解説してくれたのでありました。
前田社長は一年半後、65歳で癌の為逝かれました。
かくして安倍官房長官でさえ沖縄は「二枚舌の先延ばし」と言ったしたたかな沖縄との交渉
で悪戦苦闘しているさ中、小池防衛大臣との「確執」によって防衛事務次官の職を解かれ
36年5ヶ月在職した防衛庁を2007年8月別れをつげたのでありました。
それから4ヶ月に逮捕されて、手前どものお仲間入りを確実なものになされたのでございます。
守屋さまの御本を通読して感じましたことは、普天間問題の抜本的解決の困難さでございます。
この問題を今日のように複雑にしたのはこの問題に真剣に取り組むべき
責を負った人間の無能力とやる気のなさ、そして基地問題を金儲けの手段としか
考えていない汚れた利権屋の存在でございます。
世の中の出来ごとのあらゆることがそうであるように
答えの無い問題は何も無いのでございます。
沖縄と本土、その相方からこの問題とまともに取り組む情熱と勇気のある人間の登場を待つまで、
この問題は野ざらしのままでありましょう。それは単に普天間の基地のことではなく、
日本人の「英知」が問われている問題であることを、全国民は自覚すべきでございます。
守屋さまのお早い懲役帰りを、心よりお待ち申し上げております。
みんなを不しあわせにしておいて、
どうしてお国だけがよくなることが言えるでしょうか。 内村直也(遠い凱歌)
是非ご覧ください。
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