ぼくの毎日





朝 6時半にお母さんの携帯電話の目覚ましが鳴ります。
でも お母さんは 起き上がろうとはしません。
ぼくは おしっこもしたいし お腹もすいているから、ケージの中で、わざと大きな音をたてます。
やっとお母さんが起きてくるのは、7時『ごめんごめん…』と言いながら、大急ぎで おしっこの準備、
ぼくってとってもお利口だから、ベルトと袋をつかっておしっこもうんちもできちゃうんだよお。すごいでしょ。
盲導犬の中でもかなり進化系?
なかなかおしっこさせていい場所見つけるのがむずかしい日本の「きびしい」社会が生み出した技なんだそうです。
ぼくはその技を身につけた「とっても優等生」なのであります。えへんおほん。
でもさ。ペットくんみたいに足あげて電信柱に豪快にしてみたいなって気持ちもあります。
けっこうきれい好き?なおかあさんにはゆるしてもらえないかもですけど。
『うわぁー いっぱい溜まってたねー』とおかあさんが驚いて、そしてグッドグッドと頭なでなでしてくれるけど、そんな事より、早くあれあれ …
やっと朝ごはん!
いつも同じ物だけど、ぼくはこのごはんが大好き!
朝ごはんが終わると、しばらくは用事がありません。
どこかに出かける日は、お母さんの動きが軽いけど、特に予定のない日は、
テレビのワイドショーっていうのを見ながら、時々独り言でテレビとお話したりして、
のんびり朝ごはんを食べています(ぼくが待ってることわすれないでよね)
  お洗濯を干したり、朝の後かたづけをしたり、そのあいだに電話がかかってきたりして、なかなか用事が終わりません。
いよいよぼくのブラッシングの時間!
とぉーっても気持ちが良くて、ついうとうと…
それが終わると、いよいよお出かけ、でも ここからがけっこう大変!
お母さんは 忘れ物が多くて、玄関でぼくに洋服を着せて、ハーネスを付けてからも『あれ忘れた これがない…』
ってなんども 『フランク ウエイト』ってぼくはじっと待っているんだ。
やっと外に出て歩き始めても、まだ『あれー 忘れてた…』って言ってるけど 面倒くさがりのお母さんは、たいていまっいっかーで終わるんだ。
普段は 近くのショッピングセンターでお買い物、
ぼくが盲導犬になったばかりの頃は お店のサービスコーナーってところに預けられていたんだけど、お母さんがお買い物してる間に、お店の人たちが つぎつぎやってきて、
ぼくが嬉しくなって立ち上がると、お母さんのまねをして、シットとかダウンとかノーとか言うので、
ぼくはだんだんいやになったから、そこに行く時は、わざとゆっくり歩いたり、違う方向に行ったりして、やっとおかあさんが気づいてくれたんだ。
『そうか フランクは サービスコーナーで待つのがいやなんだね』
それからは、ぼくも一緒に介助してくれる人と歩くようになったんだよ。


ティールームに戻るよ


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