柳原三佳のブログ

交通事故・死因究明問題などを追及する柳原三佳からの情報発信。あるときはジャーナリスト、あるときはノンフィクション作家、でも、1日の大半はお料理と芝刈りが大好きな「主婦」してま〜す!

今週の『週刊文春』(2010.11.4号)に、高知白バイ事件調書ねつ造疑惑を書きました

 本日発売の『週刊文春』に、高知白バイ事件の調書ねつ造疑惑について書いた記事が掲載されています。
 新聞広告に一番大きな見出しで出ていたのでびっくり! 
 いや、でもこの事件はそれくらい大きな問題なのだと思います。こうした扱いにしてくださった週刊文春の編集部には感謝です。
 今週は、『週刊朝日』でも、同じく検察に杜撰な捜査をされた交通事故遺族の訴えを書きました。
 死人に口なし的な処理をされ、亡くなった方の名誉が傷つけられているケースが山のようにある一方、何らかの理由で一方の当事者を守るため、真実を捻じ曲げてでも『罪人』を作り上げようとする捜査機関の現実は、取材していて本当に恐ろしいと感じました。
 特に、高知白バイ事件の場合は、白バイと衝突したスクールバスの中に、22人の生徒と、3名の引率者が乗っていました。
 警察や検察は、なぜこの人たちの証言を、全員から、正確に聴取しなかったのでしょうか?
 記事を読んでいただければわかりますが、検察はたった2名の生徒の供述調書しか作成していません。しかも、バス運転手の片岡さんを起訴した後に……。
 しかし、起訴した後に話を聞いてどうなるのでしょう?
 再審請求を担当されている弁護士さんもこの件については記事の中で厳しく指摘されていますが、さらに、生徒たちが供述した内容そのものが異なっているとなれば、いったい何を信じればよいのでしょうか。

 私はこの事件においては、白バイ隊員のご遺族も大変な二次被害、三次被害を負った被害者だと思っています。
 幼い子供さんを残して、一家の主が命を失うということが、家族にとってどれほどの苦しみであるか……。
 それは、今週の『週刊朝日』の中でも書いたとおりです。
 こうした報道が出るたびに、ご遺族がどれほど心を痛めておられるかと思うと、辛くなるのも事実ですが、それだけに、警察や検察には、誠実に対応していただきたいと願うばかりです。 

  実は、あのときバスの乗っていた中学生たちは、私の娘と同い年です。
 この事件を知ったときから、私も生徒たちの『保護者』のような感覚で、推移を見守ってきた部分もあります。
 バスに乗っていた少年は、私にこう語ってくれました。

「事故までは警察官や検察官は絶対に信じられると思っていましたが、あの事故以来、警察官を見ると、”くそっ”と思ってしまうんです……」

 こんな思いを彼らが引きずってよいはずがありません。
 再審請求の中で、真実を明らかにし、子供たちに与えた不信感や心の傷を取り除かなければなりません。
 
 限られた行数の中では、カットせざるを得ない原稿も多々ありました。
 ここでその部分を追記しておきたいと思います。

******************************************

 私はこの事件を〇七年三月から取材し続けてきた。
 そのよりどころとなったのは、バスに乗っていた当時の中学生たちが、素直なまなざしで語ってくれた数々の証言だった。

「衝突のとき、バスは間違いなく止まっていました」

「急ブレーキのショックはまったくなく、荷物が座席から落ちることもありませんでした」

「ハルさんに手錠がかけられたとき、何も悪いことしてないのになぜ……? と泣きだす子がいました」
 
 
 当時の彼らは未成年だったこともあり、検察への不信感を記事化することはあえて控えてきた。
 しかし、今年成人になる彼らは、今回、勇気を出して名前を出し、私の取材に真摯な態度で応じてくれた。

 先日、検察トップは、大阪地検特捜部の証拠改ざん事件に絡んだ謝罪会見で、「前代未聞」という言葉を使った。が、本当にそうだろうか。善意の捜査協力者、しかも少年を相手にした調書ねつ造疑惑は、検察という組織の存在意義を根底から覆しかねない異常事態と言えるだろう。
 再審請求が起こされた今、高知地検は、掛水君と井上さんの調書の原本を開示し、まずは彼らの疑念に真正面から答えるべきだ。

 これから再審に臨む片岡さんは、こう語った。

「あのときバスに乗っていた二十二人の子供たち、彼らが嘘つきと言われないためにも、私はこのまま死ぬわけにはいかんのです。最後まで闘うつもりです」

101104[1]
■『週刊文春』(2010.11.04号)
■片岡さんのブログ「雑草魂」
  1. 2010/10/28(木) 11:47:22|
  2. 柳原三佳の執筆記事
  3. | コメント:9
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コメント

あの時、バスは止まっていた

では、道路交通法違反ではないですか。
交差点内は、駐車も停車も禁止されています。
危険だからです。
その点に関して、どのようにお考えでしょうか?
  1. 2010/10/28(木) 20:58:00 |
  2. URL |
  3. チョイナ #jgEbVmYo
  4. [ 編集]

柳原さん、こんにちは。はじめまして。

先のチョイナさんのコメントに対して、コメントさせていただきます。

チョイナさん、
危険を防止するために交差点内で一時停止することは道路交通法で認められており、違反ではありません。

さて、下記を見てください。
元検弁護士さんが自分(元検弁護士)のブログのコメント欄にモトケンのハンドルネームで投稿してますが、この元検弁護士(モトケン)さんは正しいコメントをしてると私は思います。
↓↓↓
http://www.yabelab.net/blog/2007/10/31-172959.php
No.56 モトケン さん| 2007年11月 1日 20:01

>No.55 死刑囚 さん
>テレビに出ていた生徒さんの一人が「ずーっと待っててそろそろ行けるかなと思った頃に白バイが、まぁ、当たって来たんです。」と話していました。

この供述が信用できるとしますと、運転手は無過失である可能性がかなり高くなります。
衝突時点においてバスが動いていたか停止していたかは、白バイから見てどの程度手前で進路前方にバスが存在することが認識可能かという点に関係する事実であり、
停止していたとした場合、さらに停止してから何秒後に衝突したかが問題になります。
その時間が長ければ長いほど過失は認めにくくなります。
仮に過失を認めても、因果関係が怪しくなります。

No.60 モトケン さん| 2007年11月 1日 21:16

>No.58 じじい さん

思いっきり簡単に言うと
「ぶつけた」のではなく、「ぶつけられた」という関係になるからです。
なお、道路交通法違反があるからと言って、直ちに業務上過失致死傷における過失があるということにはなりません。
本件で、白バイと十分な距離を置いて交差点に進入したのであれば、道交法違反にもならない可能性があると思います。
要するに、バスが白バイが安全に停止できるだけの距離をおいて交差点に進入したのであれば、
バスの運転手が危険を作出したと言いにくくなりますし(過失の問題)、衝突の原因は白バイにあると言いやすくなります(因果関係の問題)。】
  1. 2010/10/28(木) 21:51:30 |
  2. URL |
  3. (・ω・) #zyFpI0Jo
  4. [ 編集]

危険を防止する為の一時停止

交差点内に停車することは、大変危険なので
禁止されています。バスは、停車するつもりで
中央まで出ています。未必の過失となります。
  1. 2010/10/28(木) 21:58:09 |
  2. URL |
  3. チョイナ #-
  4. [ 編集]

裁判所の事実認定に納得できないから・・

>交差点内に停車することは、大変危険なので
禁止されています。

それを杓子定規にまもっていたら、大変危険だよ。

>バスは、停車するつもりで 中央まで出ています。

初めて聞きました。片岡はそういっていましたか?

また、なんで道交法違反にこだわるのかな? 道交法違反をしたくせに『無罪』を主張していることが納得がいかない。って感じなのでしょうか?

仮に片岡に道交法上の違反があったとしても、その違反がそのまま 刑法の業務上過失致死罪に相当する重大な過失とはならない。

「業務上過失致死罪の構成要件として「その過失がなければ死傷するはずがなかった」という因果関係が存在することが必要である。
(ウィキペディア参照) 

片岡さんは事実と違う事実認定で有罪とされ、実刑を喰らったのは納得いかないとして、無罪を主張して再審請求している。

そして、バスが交差点に停車中にぶつけられたと事実認定されたうえで『有罪』とされるなら、」それはそれで受け入れていたと言ってます。

  1. 2010/10/29(金) 04:15:45 |
  2. URL |
  3. lm767 #02QnOYzI
  4. [ 編集]

起訴後の調書とはどういうことですか?

http://blog.goo.ne.jp/costarica0012/e/b54a1c148accfe9caa0c8d63a438c7beb

前略、私は、Mさんの調書の偽造の権で、告発状と、検察官適格審査会への申し立てをしている者です。

ひとつ確認したいのですが、なにを持って、起訴後の調書作りだと結論付けているのでしょうか?

私は検察庁に対し、刑事記録の文書開示請求をしましたが、その際、検察庁から出された片岡晴彦さん側の調書は、校長と教師の分だけでした。

担当者の説明では、法定に提出されていない調書は必要ないでしょうからとのお話でしたから、当然、起訴前手続きで、梶原弁護士が拒否権を発動したものと解釈していました。

事実は、どうなのでしょうか? 法定に提出されたのでしょうか? 

同じく、県警を告発し、不起訴処分とされたオンブズマン松岡からメールが入りましたが、生徒の調書は法定に提出されていません。誤解があるなら、訂正記事を書く必要があるのではないでしょうか?

大野さんは、肝心要の事実をきちんと教えてくれないで、解釈ばかりを展開しますから、いろいろ五階が発生します。

そうなると、告発内容が変わってきます。

お知らせください。

また、生徒Mさんには、人格権を侵害されたという列記として、国家賠償訴訟請求の権利が存在します。そのことを、ご両親にもお知らせください。

これは、彼女だけの権利ではなく、高知県民と仁淀町民の権利のための闘争です。
  1. 2010/10/31(日) 14:59:49 |
  2. URL |
  3. 山下 由佳 #-
  4. [ 編集]

正式な告発状を提出してください

社会告発するんだったら、正式に、高知検察庁へ告発状を提出していただきたい。

それが、記事を書いた責任でしょうと言いたい。
私は、Mさんに会わせてもらえていない状況で、告発状を提出するしかなかった。ずっと、片岡さん本人に告訴してもらいたいと申し出ていたのに、今日比されたから。検察官適格審査会への申し立ても同様。

支援する会は、仁淀町の損害の修復をすらうための住民監査請求もやめた。100%過失を認めた物損の示談書の真相究明を封殺した。

県民と、仁淀川町民の権利のための真相究明を全て、隠蔽している。これでいいのでしょうか?

http://blog.goo.ne.jp/costarica0012/e/a1ba98248706d98dab70ee9c3cf17beb
  1. 2010/10/31(日) 15:23:48 |
  2. URL |
  3. 山下 由佳 #-
  4. [ 編集]

横から失礼します。
山下 由佳 様、
生徒2名の調書をバス運転手さんが有罪となった刑事訴訟に検察側が提出していますが、その2名の生徒の調書はバス側が証拠調べで不同意にしたこともあり、証拠採用されずに確定記録から外されています。
生徒2名の調書は法廷には提出されたが証拠採用されなかったので確定記録から外されたということです。

さて、山下由佳様のブログを少し読まさせていただきました。
とても参考になりましたが、一部気になるところもありました。
白バイは制限速度のプラス10キロが法定速度です。
高知白バイ事故現場は当時は制限速度時速50キロでしたので当時の白バイの法定速度は時速60キロです。白バイは時速60キロであれば速度違反ではないのです。
今は制限速度が時速60キロになってますので、白バイの法定速度は時速70キロです。

生徒の調書は当該刑事訴訟で証拠として採用されなかったので、生徒の調書の指印やサインが偽造でも本物でも当該刑事訴訟には全く影響しません。
当該刑事訴訟はバス運転手さんが有罪か無罪かを決める訴訟であって、生徒の調書の指印やサインが本物か偽物かを決める訴訟ではないので証拠採用されなければ当該刑事訴訟とは全く関係なくなるのです。
ですから当該刑事訴訟の上告審でバス運転手さんの弁護士さんが生徒の調書の指印やサインが偽物だという主張をしても全く無意味なので、そのような主張はしなかったのです。
  1. 2010/11/01(月) 04:04:41 |
  2. URL |
  3. (・ω・) #zyFpI0Jo
  4. [ 編集]

お久しぶりです

問題の指紋について支援者サイトには、調書の画像とともに以下のような注釈があります。

>検面調書と員面調書に押印される指紋は右人差し指と左のそれといった違いがあるようです
ttp://littlemonky737.blog90.fc2.com/blog-entry-207.html

指が違えば指紋も異なるのですが、この点は確認されているのでしょうか?
文春の記事では、警察と検察の調書のそれぞれの指印は、同じ指のものであるかのように書かれていますが・・・
  1. 2010/11/01(月) 11:54:41 |
  2. URL |
  3. 保冷所 #8Zcb/IVM
  4. [ 編集]

調書についての疑問

生徒の調書が法廷に提出されたことは支援者の方に確認しましたが、判決文の「証拠の標目」には記載されていません。

刑事訴訟法335条1項
有罪の言渡をするには、罪となるべき事実、証拠の標目及び法令の適用を示さなければならない。

仮に、生徒の調書が過失を立証するためのものであるたとしたら、弁護側は当然同意しませんから、証拠調べが必要になります。
具体的には生徒本人に法廷で証言を求めることになりますが、生徒は法廷では証言していません。
つまり、生徒の調書はもともと、過失を立証する証拠として提出されたものではないということになります。

例えば、車内の様子が運転手の注意力を損なうような状況ではなかった、というようなことを証明するためならば、過失認定を直接左右するものではありませんし、そのための調書ならば起訴後に作られてもおかしいとは思いません。
それならば弁護側も同意するでしょう。
ただ、そうだとすると、検察が、わざわざ指紋を偽造してまで生徒の調書を作る必要がそもそもあるのか、という疑問が湧きます。

それから、生徒が嘘吐き呼ばわりされた、という話ですが、生徒の「バスが動いていた」という証言は法廷に提出されていません。
提出されていない証言について、裁判所はその真偽を判断することはできません。
また、証言は感覚や記憶に頼るものですから、どうしても勘違いや思い違いという要素を考慮せざる得ませんから、裁判での証明力は証言よりも物証の方が強くなり、証言が採用されなくても、それは証言者が嘘を吐いたという理屈にはなりません。

本来ならば、周りの大人達が「裁判で言い分が通らなくても、嘘吐き呼ばわりされたわけではない」と教えてあげるべきです。
子供達の司法不信を煽っているのは、支援者であり、片岡氏であり、そして柳原氏の方でしょう。
大人達の争いに子供を巻き込む、もっと言えば「利用する」かのようなやり方には、腹が立ちます。
  1. 2010/11/01(月) 12:22:56 |
  2. URL |
  3. 保冷所 #8Zcb/IVM
  4. [ 編集]

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プロフィール

Author:柳原三佳
ジャーナリスト・ノンフィクション作家。
 
コピーライター、バイク雑誌の編集記者を経てジャーナリストとして独立。交通事故、司法問題等をテーマに執筆や講演活動を行う。「週刊朝日」などに連載した告発ルポをきっかけに自賠責制度の大改定につながったことも。2004年からは死因究明問題の取材にも力を入れ、犯罪捜査の根幹に一石を投じてきた。著書に「交通事故被害者は二度泣かされる」「自動車保険の落とし穴」「死因究明〜葬られた真実」「焼かれる前に語れ」「交通事故鑑定人」「裁判官を信じるな」など多数。実父を医療過誤で亡くし、自らも医療過誤被害を受けた経験があり、現在は医療問題にも精力的に取り組んでいる。

■柳原三佳のHP 
http://www.mika-y.com/

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