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【社会】

「万博おばあちゃん」皆勤賞 上海で最も有名な日本人に

2010年11月1日 朝刊

30日、上海万博の会場で中国人入場者から声を掛けられ、気さくに記念撮影に応じる山田外美代さん(上段中央)=共同

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 【上海=小坂井文彦】愛・地球博(愛知万博)に毎日通った愛知県瀬戸市の山田外美代さん(61)が、31日に閉幕した上海万博でも“皆勤賞”を達成した。中国紙が付けたニックネームは「万博おばあちゃん」。記事はスクラップブック4冊分。現在、上海で最も有名な日本人となった。

 「万博おばあちゃんでしょ」。30日、上海市の高彩雲さん(59)は「7回目の来場でようやく会えた。うれしい」と山田さんにサインを求めた。ビザの都合で、1泊2日で帰国した際、空港の入国管理官に「帰っちゃ駄目です」とも言われた。

 「中国人の素直さは人を陽気にさせる。日本人はクール。帰国したら、『上海万博の皆勤なんて暇ですね』と冷ややかに見られそう」と山田さん。

 毎日、付き添った長男の和弘さん(37)も中学校教師を辞めて上海に移り住んだ。出費も多かったが、「世界の人との交流は掛け替えのないもの」と言う。

 嫌な思いも。沖縄県の尖閣諸島沖での漁船衝突事件後、10月1日の中国デー式典への招待を事務局が取り消した。理由は「あなたが日本人だから」。山田さんは「万博は国境を越えたイベント。国籍は関係ないでしょ」と問い詰めると、あらためて招待状が届いた。

 「会期中、中国人のマナーもどんどん向上した。万博は日々、発見があるし、本当に学校のようです」。5年後の次回万博はイタリア・ミラノ。「体が許す限りは万博にかかわりたいですね」と山田さんは笑った。

 

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