警視庁公安部の国際テロ捜査に関する内部資料とみられる文書がインターネット上に流された問題で、掲出された文書は100件以上に上ることが分かった。文書は08年の北海道洞爺湖サミット開催時の情勢分析調査や、警察内部の会議記録とみられる資料など多岐にわたった。警視庁は内部資料が流出した可能性もあるとみて、警察作成の資料かどうかを慎重に調べている。
関係者などによると、文書は洞爺湖サミットが開催された08年前後に作成された資料が多い。サミット開催に向けたテロ情勢分析に加え、大規模テロに備えた会議記録、国内のイスラム社会の情勢などを記載したとみられる文書もあった。警察庁や国際テロ捜査を担当する警視庁外事3課が作成したとする文書も含まれていた。
警察職員以外とみられる名前や個人情報が記された文書もあった。警察が作成した文書の場合、公開されることを想定していない資料とみられ、影響が懸念される。警視庁は現在、横浜市で今月開かれるアジア太平洋経済協力会議(APEC)の首脳会議に向け、テロ警戒を強めている。
毎日新聞 2010年11月1日 東京朝刊