「J1、浦和0-1山形」(30日、埼玉)
浦和はホームで山形と対戦し、0‐1で敗れた。終始攻め込み、大量22本のシュートを放ちながらも無得点。後半36分にFKから山形FW田代有三(28)に決められ、前節・磐田戦に続く連敗となった。首位の名古屋はC大阪を1‐0で下して勝ち点60に伸ばした。FC東京は2‐1で上位の清水を下した。湘南‐大宮は台風の影響で順延となった。
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横殴りの風雨が、敗者のほおを容赦なく打ちつける。放った22本のシュートはいずれも空砲に終わった。空席が目立つスタンドからは、押し隠したはずの怒りが少量のブーイングとなって響く。何もかもが“寒い”完封負けだ。
もっとも警戒していた局面で被弾した。0‐0で迎えた後半36分。自陣左サイドからのFK。山形DF石川の鋭いキックを、長身FW田代に合わせられて失点した。「狙い通りにやられた感じ」。MF柏木が落胆した表情で振り返る。その後は猛反撃を仕掛けるが、無得点に終わった。
フィンケ監督は「我々は数え切れないほどのチャンスを作った」と、おなじみのコメントをする一方で「ボールが相手のゴールに入るのを“嫌っていた”。悔やまれるが、(敗戦は)ある意味妥当」と白旗宣言まで飛び出した。2連敗で、ACL出場権獲得の3位以内は絶望的となった。
スタンドも“寒かった”。首都圏に接近した台風14号の影響もあってか、空席が目立った。この日の観客数2万1625人は、埼玉スタジアムでのリーグ戦最少動員記録である03年7月の仙台戦(3万1965人)を7年ぶりに更新してしまっただけでなく、ワースト記録を1万人近くも下回った。柱谷GMも「台風もあったしね。しょうがないのでは…」と力なく話した。
フィンケ監督は就任2季目で結果が求められるが、残り6戦となったこの日、優勝の可能性が消滅。ACL圏内の3位まで勝ち点こそ8差だが、その間には5チームがひしめく。かつての熱狂はどこへ行ったのか。「結果がすべての世界。さまざまな改善点がある」。GK山岸が自戒を込めて発した言葉は、風雨乱れる埼玉の寒空へ消えていった。