名古屋−C大阪 後半シュートをはじき好セーブを見せる楢崎=豊田スタジアムで
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首位の名古屋グランパスはC大阪を1−0で下して勝ち点を60に伸ばした。C大阪は、FC東京に敗れた清水とともに同45のまま。前節3位のG大阪は神戸に逆転負けを喫し、首位との勝ち点差は11に広がった。川崎は磐田と引き分けたが、勝ち点46で4位浮上。浦和は山形に屈して2連敗。仙台は京都に勝って1部残留に大きく前進した。湘南−大宮は台風の影響で中止、延期となった。
◆名古屋1−0C大阪
冷静沈着な守護神が、珍しく興奮を隠さなかった。激闘の余韻が残るヒーローインタビューで楢崎が絶叫した。「次も勝つ!」。力強く鳴らした栄冠へのラッパに、台風接近にもかかわらず駆けつけた2万人超のサポーターが沸いた。C大阪に引導を渡し、2位鹿島と暫定勝ち点11差に広げた。「でかい。どの試合でも勝てば『大きな1勝』と喜ぶけど、きょうは特にそういう感じ」とかみしめた。
虎の子の1点を守り抜き、リーグ6試合ぶりの完封勝利だ。闘莉王、金崎の主力2人が負傷欠場する苦境で、守護神が美技を連発。前半36分、後半2分、12分、22分と計4度の神がかりセーブで決定機を阻止した。「闘莉王だけがやっているわけじゃないし、みんなもここが頑張りどころと思っていた」。C大阪の14本のシュートを、増川、千代反田とともに食い止めた。
ピッチ内外で、チーム全員が一丸だった。ハーフタイム、スタンド観戦していた闘莉王が控室まで駆けつけた。「自信を持て」とチームに気合を注入。試合に出れなくても貢献しようと必死だった。
試合後には、その思いに応える光景も待っていた。選手全員でスタンドへあいさつする際、巻が闘莉王の、花井が金崎のユニホームをそれぞれ着て喜びを分かち合った。松浦ホペイロ(用具係)が発案した粋なサプライズ。
「感動した」と胸を熱くした闘将は「自分が出る以上にうれしい勝利。チヨ(千代反田)がすばらしかったし、途中から出たタケ(竹内)もよかった。勝者のチームになってきた」と仲間を惜しみなくたたえた。
ムードは最高潮。慢心もない。楢崎は「何もまだ決まってないし、成し遂げたわけでもない」と引き締めた。G大阪も敗れ、最速なら14日の大宮戦(瑞穂陸)で優勝が決まる。次戦は鹿島とアウェーで直接対決。このまま一気にVロードを突っ走る。 (塚田陽一郎)
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