ソーラー事業:中国、10年間で58兆円投資へ

自然エネルギー分野で世界の覇権を狙う

 中国は太陽光をはじめ、自然エネルギーのあらゆる分野に巨額の投資を行っているが、とりわけ風力発電が注目に値する。2004年の市場規模はわずか197メガワットだったが、その後は年平均134%の割合で成長を続け、09年には14ギガワット近くにまで拡大した。この勢いで09年には、米国を抜いて世界で最も大きな風力発電市場に成長した。発電量も米国に次いで2位を誇る。

 水力分野では、すでに世界最大の水資源保有国だ。最近はヒマラヤの高原地帯、チベットを流れるヤルツアンポ江に、500メガワット規模の蔵穆ダムを建設しており、将来的にはこれを含めて五つのダムを建設する計画だ。これら五つのダムの発電総量は、現時点で世界最大といわれる三峡ダムを上回る。中国は現在、1億9000万キロワットとされる水力発電量を、2020年には3億キロワット以上に引き上げることを目指している。

 原子力分野では、2020年までに8000億人民元(約10兆円)を投じ、原子力による電力生産を8000万キロワットにまで引き上げる計画だ。昨年、中国で原子力発電は全体のわずか1%だったが、10年後には8%にまで引き上げたい考えだ。

 このように中国は太陽光、風力、原子力、水力などによる発電能力を徐々に増強し、現時点で10%のこれらの割合を、2020年までには20%に引き上げる計画だ。今後10年間にこれらの発電設備に投じられる額だけでも780兆ウォン(約58兆円)に上るが、これは韓国にとって想像もできない額だ。中国は自然エネルギー発電大国を目指し、将来のエネルギー産業の覇権を握ろうと躍起になっているのだ。

チョ・ヨングォン(サムスン経済研究所首席研究員)

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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