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住民投票に法的拘束力 地方自治法改正案提出へ (1/2ページ)
政府は31日、地方自治体が重要事項を決める際に住民投票の実施を可能とするよう地方自治法を改正する方針を固めた。地方債発行や公共事業などの大規模予算措置、議員定数・報酬など議会に関する重要事項を住民投票の対象とすることを想定している。投票結果については法的拘束力を付与する方向で調整しており、早ければ来年1月召集の通常国会に法案を提出し、成立を目指す。
住民投票の実施に必要な住民投票条例の制定はこれまで地方自治体に任されていたが、法改正ですべての自治体で住民投票の実施が可能となる。だが、現在の日本の間接民主主義制度との関係を整理する必要もあるという慎重論のほか、国の重要政策に影響を及ぼす可能性を危(き)惧(ぐ)する声もある。
住民投票法の制定は、衆院選に際し、民主党が示した政策集「インデックス2009」に盛り込まれている。今年9月の内閣改造で就任した片山善博総務相は「住民自治」を拡充する手段として住民投票制度の導入に前向きで、就任後具体案作りを総務省に指示していた。
現行の地方自治法では条例の制定・改廃などに関する住民の直接請求制度はあるが、仮に住民投票が実施されて、賛成多数となっても議会が了承しないと実施できない仕組みとなっている。名古屋市では議員報酬・定数を半減する条例案を出した河村たかし市長と市議会が対立し、市長側が議会解散請求(リコール)を仕掛けるなどの異常事態に発展している。今回の地方自治法改正案が成立すれば、こうした問題に住民投票で決着をつけられる。