泉「石井とやってみたい」大みそか実現も…ＳＲＣ１５

ジェームス・ジキックを寝技で攻める泉（右）

　◆ＳＲＣ１５（３０日・両国国技館）　アテネ五輪柔道男子９０キロ級銀メダルの泉浩（２８）＝プレシオス＝が、ジェームス・ジキック（３３）＝英国＝に２―１で判定勝ちした。相手の長いリーチから繰り出されるパンチに手こずりながらも、テイクダウンを奪いポイントを獲得。試合後は北京五輪柔道男子１００キロ超級金メダルの石井慧（２３）＝アイダッシュ＝との対戦を要求した。

　あるのは勝利への執念だけだ。顔を染める血も気にならない。泉はひたすら前に出た。１回、身長で１５センチ、リーチでも上回るジキックの左ジャブに右まゆをカット。ふところに入れず苦しんだが、３回、テイクダウンを奪うとパウンドを浴びせポイントを獲得。「心が折れないように戦った」と腫らした顔で振り返った。

　マイクを握った勝利のリング上。「年末に合同興行があるのなら、石井選手とやってみたい」と叫んだ。石井は大みそかの「Ｄｙｎａｍｉｔｅ！！」参戦が有力。ＳＲＣは前日３０日に興行があり昨年のような合同興行はないが「気持ちは変わらない。皆さん盛り上がってくれる」と泉の思いは強い。「ダイナマイトでニーズがあれば考えていきたい」とＳＲＣの向井代表は話し、大みそかの柔道メダリスト対決が実現する可能性もわずかにある。

　昨年９月、総合格闘家としてデビューし３勝１敗。実力を伸ばす一方、レスリングで１２年ロンドン五輪を目指し、１１月２０日の全国社会人オープン（東京・スポーツ会館）フリー９６キロ級に「出る方向です」。すべては「格闘技を盛り上げるため」。泉の挑戦は終わらない。