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 1960年代後半から、70年代にかけて「遠くまで行くんだ」という文句が大学のキャンパスに似合っていた。全共闘の波が引いていく中で、「遠い世界に」出かけていくことは、生き方探しだったのだろう。

 私は団塊の世代ではない。1955年生まれだから、あと50歳まで少しのところにいるポスト団塊世代だ。政治活動を中学生で早く始めすぎたために、団塊の世代の人々とは、つねに一緒にいた。

 最近、たてつづけに何度か「元全共闘」の人々の飲み会に参加した。福祉施設で、出版社で、飲み屋のオヤジで、元祖フリーターで、それぞれの生き方をしている。当時の歌を聞きながら杯を傾ける。

 その時に感じた一言が「遠くから来たんだ」。若い頃は、激しくぶつかり他者との差異
が許せずに「訣別」が特異だったオジさんたちも、もう少しでオジイさんと呼ばれる年になった。誰でも平等に老いはやってくる。差異よりは共通項を見つけ、「論争」よりは相互理解を尊重する。

 際どい一線を超えて歩いてきた仲間だからこそ、「遠くまで行って、また戻ってきた」という時期を迎えているのではないか。「遠くまで行くんだ」から「遠くから来たんだ」へと地球を一周したが如くに、出会った人々は何かを始められるだろうか。




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