本日夕方、佐渡市で試験放鳥され東日本をさまよっている04番のトキの名称が黒部市で決まったとのニュースが入ってきました。決まった愛称は「ときめき」だそうです。
愛称を募集するとか特別住民票を出すとかいかにも地方行政のやりそうな事なんですが、実は佐渡ではトキ放鳥後、トキを観察するボランティアの方々がそれぞれの個体に愛情を込めて愛称で呼んでいました。以下は2月に私がまとめた情報です。
放鳥トキ愛称一覧
01番 オス あおきさん トキを識別するアニマルマーカーの色が青と黄色のため
03番 メス みっちゃん 個体番号の語呂合わせ
04番 メス 道子さん 観察者の奥さんの名前
06番 オス 殿下 秋篠宮殿下が放鳥したから
11番 オス イケメン 個体番号の11(イイ)男から
07番 メス ななこ 個体番号の語呂合わせ
09番 オス 9太郎 個体番号の語呂合わせ
13番 メス かずみちゃん 個体番号の語呂合わせ
いかがですか?語呂合わせが多いですがなるほどってのもあります。
この中で唯一分からないのが「道子さん」の04番のトキですが、実はこのトキが今回黒部市で「ときめき」って愛称に決まったというトキです。
私も当初、なぜ「道子さん」?って思っておりました。観察者の奥さんの名前が何でトキの愛称になるのか?って思う方も多いと思います。実はそこに秘話といったら大げさですが、あまり知られていないお話がありました。以下izaのニュースからです。
トキの保護や人工増殖に携わった元佐渡トキ保護センター長の近辻宏帰(ちかつじ・こうき)氏が5日午前1時23分、食道がんのため新潟県佐渡市の病院で死去した。66歳。東京都出身。自宅は佐渡市新穂76。葬儀・告別式は8日午前10時から佐渡市新穂大野1865の2、JAレインボーホールで。喪主は妻、道子(みちこ)さん。
昭和42年から36年間、トキ保護センターに勤務。平成11年に中国から贈られたペアのトキによる人工繁殖を国内で初めて成功させたほか、15年10月に死んだ最後の日本産トキ「キン」の飼育を担当していた。
トキの世界では知らない人のいない近辻さん。その奥様が実は道子さんの愛称の由来でした。
近辻さんは04番のメスのトキの観察を続けているうちに、自分の奥さん(道子さん)に性格が似ていると思い始めたそうです。その近辻さんは先月、5月5日に食道がんで死去されました。
唯一、放鳥トキの中で個人名の愛称が付けられていたのが「道子さん」でした。
果たしてこのニックネームの由来を黒部市が知っていたか、佐渡市が知っていたかはわかりません。しかしこんな由来をしってしまうと、黒部市で決まったという「ときめき」って愛称には違和感を覚えます。
もちろん、トキを観察するボランティアの方々の中での愛称ですから、佐渡の人も実は「道子さん」だったなんて知らないかもしれません。
個人的には愛称不要論者なので04番が私の中では一番なのですが、何にでも愛称をつけてしまうのっていかがなものかとも思います。今のところ佐渡市が意義を申し出る様子もないですし、トキの愛称論争なんてのも意味もなくくだらないものです。
しかし近辻さんの葬儀の際、関係者の間では04番が佐渡に戻って来るかもしれないとの願いがありました。近辻さんが亡くなって奥さんの道子さんが悲しんでいるからこそ、「道子さん」が佐渡に戻って来る。
ちょっとロマンチックな話なんですけど、奥さんへの愛情を込めた「道子さん」という愛称への思い。皆さんにもちょっと知って欲しいとおもいました。
by eifrjguthy
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