砲弾外観
名称 120mmM830A1多目的対戦車榴弾
[M830A1 HEAT-MP-T ]
弾種 多目的成形炸薬弾[HEAT-MP]
型式 固定弾
使用砲 120mm戦車砲M256
完成弾重量 22.3 [kg]
弾丸重量 11.4、(発射体[Projectile]重量、装弾筒を含むものと思われる) [kg]
完成弾全長 982 [mm]
弾丸長 778 [mm]
炸薬 不明 [kg]
装薬 7.1(装薬名称:19 Perf Hex JA2) [kg]
侵徹長 不明 [mm]
砲口初速 1400 [m/sec]
信管 近接信管
説明 M830A1は、空気抵抗の小さな鋭利な弾頭形状の翼安定砲弾に離脱装弾筒[discarding sabot]をつけた構造で、HEAT-FS-DSとでも呼べるものです。信管には近接信管が採用されており、対ヘリコプター攻撃能力も付与されています。弾頭形状および装弾筒の採用から高初速で空気抵抗が小さく、遠距離での命中精度が大きく向上しています。これにより射程距離が大きく増大しています(従来のM830HEAT-Tは有効射程距離が2000m以下と言われていましたが、本砲弾は射程距離は4000mに増大しています)。この砲弾の用途は、従来の多目的対戦車榴弾[HEAT-MP]より特化したもので、対戦車攻撃も用途に含めた多目的弾[MPAT:Multi Purpose-Anti Tank]とでも呼べるものです。ブンカー、軽装甲車両、ソフトスキン、ヘリコプターなどへの攻撃に使用されます。2003年現在も継続中のイラク戦争では、本砲弾が従来のHEAT弾とともに多用されているとの報告があります。なお本砲弾は、貫徹能力が低い(HEATの直径が小さいため)ことが欠点ではありますが、現在では戦車砲による対戦車攻撃にHEATを使用する機会が減少していますので(APFSDSの方がHEATよりも有利な点が多いため)、本砲弾の用途としてはそれほど大きな問題ではないようです。
なお、薬室圧力[Chamber pressure]は5600bars、米国防総省識別符号[DODIC]はC380です。
参考WebSite ・ATK
http://www.atk.com/profilePrecision/Targets/M830A1.htm
・FAS
http://www.fas.org/man/dod-101/sys/land/m830a1.htm
・defense online
http://www.defenseonline.com.cn/weapon/us_army/zsnl/zsnl38.htm
写真
↑装弾筒が離脱する様子。


↑ヘリを撃墜する様子
作成 2003/12/07
更新 2005/06/25

成形炸薬弾format_v1.0 2003.12.07作成