タイルパターンの必要性
さて、タイルパターンの基礎を一通り理解したら次はそれを利用する際のその必要性について講座いたします
1.256色環境での必要性
16色以下の環境でドット絵を描かなければいけなかった時代、タイルパターンは非常に効果的なテクニックでした
16色以下という制限があってもグラデーションの表現や、疑似色なども作成でき、比較的カラフルに見える絵などが描けるようになり、使えば使うほど効果があったからです
しかしそれは、「16色以下」という制限があったため言えることであり、256色以上というような多色環境になってしまった今、その必要性は薄れ、タイルパターンを使う人は減っています
しかし、勘違いしないでほしいのは、「まったく必要性がなくなったわけではない」ということです
ここでいう必要性とは、別にお約束な「色数の節約のために」とかいうようなことではありませんよ(まぁ確かにそれもありますけど)(笑)
ホントの意味で「256色であっても、タイルパターンを使ったほうが綺麗に見えたりする場合がある」ということなのです
例えば、グラデーションなどで言うと、256色だと言ってもタイルパターンを使わずにそのままグラデーションを作るとあまりいいようには見えません
例
見ればわかるように色と色の境目が目立ち、綺麗なグラデーションには見えません
例え色の差があまりなかったとしても・・・
やっぱり目立ってしまいます
ではそこでタイルパターンを使ってみると・・・
こうなります
比較的にはどちらのほうが違和感のないグラデーションだと言えるでしょうか?
2.どういった場合にタイルパターンを利用するのか?
タイルパターンは使い方によって、いいモノが描ける場合もあれば、あまりいいように見えない場合もあります
今までのように「グラデーションを作る場合だけに利用する」とも一概には言えません
では一体どういう場合にタイルパターンを利用すべきか?について考えてみましょう
まず、16色時代ではその色数の制限から、アンチエイリアスに使う中間色も考えると、メインとして使える色はせいぜい5色程度でした
そのため、カラフルなCGなどを描く場合、たいていタイルパターンを使って「疑似色」なんかを作り、色数を補っていました
でも、タイルパターンで作った疑似色というのは普通に作った色に比べると色が荒っぽく見えて、あまりいい見栄えはしません
だから、256色ではそんな問題はほとんどありませんから、「疑似色」としてタイルパターンを利用する必要性はどこにもありません
次に、タイルパターンにも表現できる限界があります
16色でも256色でも、チビキャラのような小さなドット絵を描く場合には、サイズもサイズなのでタイルパターンを利用できるような余裕がほとんどありません
しかし、顔グラフィックなど、ほとんどCGとして描くような大きなサイズのドット絵になってくると、長いグラデーションを表現する場合などにはタイルパターンを利用する方がいいモノが描けます
そしてあと、タイルパターンはこの他に、いろんなモノを描くとき「物の質感」を表現する場合には、利用せずに描くよりも利用した方がそれに近い表現ができる場合もあるわけです
ちなみにウチがよく使うのは「ザラザラ感」などを表現する場合です(謎笑)
3.まとめると
256色環境でタイルパターンをどういう時に利用するかをまとめると・・・
・疑似色として利用する必要性はほとんどない
・チビキャラなど、極小さなドット絵を描く場合は使わないほうがいい
・比較的長さの長いグラデーションを表現する場合には使う方がいい
・使い方によっては物の質感を表現する場合にも便利
まぁ大体こういったところです
結局は応用力の問題なので、この「タイルパターン」と「アンチエイリアス」を上手く使い分けることが上手いドット絵を描くための秘訣なのです(笑)
タイルパターンを身につけたからといって、ムリにタイルパターンで描いたとしても、
そりゃ確かに一部の16色以下のような環境時代からドット絵を経験してきた人にはウケるかもしれませんが、素人目から見た場合に、「良いモノ」に見えなければ意味がないということを忘れてはいけません(笑)
要するに256色でのタイルパターンとは、大体は見た目だけの問題であり、「使って良いように見えるところは使い、良いように見えないところは使わない」ということなんです、たぶん(笑)