新暦76年一月一日。新しい一年の始まりであり、第97管理外世界・地球の日本でいうところの元旦であるこの日の昼下がり、 ユーノ・スクライアは自室のベッドの上で静かに眠っていた。

「すう……」

トントントントン

そう、静かに。

「ぐ……」

トントントントントントントントン

静かに。

「ぐぐぐ……」

ドンドンドンドンドンドンドンドン!

静かに……

「って全然静かじゃないよこれ!?」

部屋に響くドアノブを叩く音にベッドから起き上がり、ユーノは誰にというわけでもなく大声でツッコミをいれる。 寝起きのためだろう、少々頭痛のする頭を片手で押さえつつ、 彼にとっては珍しく不機嫌というものを隠さない表情で入り口のドアへと向かった。
普段防犯のためにかけている施錠魔法ロック解除アンロック。そのまま続けて地球でもよくある機械式のキーチェーンを上げてロックも外し、最後にドアノブに手をかけようとして……

「あけましておめでとさんやユーノくんー!!!」

「……はやて?」

ノブに触れるか触れないかのところで勝手に開いたドアに、そして開いた先で満面の笑顔を向けていた女性の姿に、目を点にした。









「そっか。今年はミッドチルダに残ってたんだ」

「まあな。普段は昔の知り合いやらの事もあるから地球に残してある家で過ごしとるけど、さすがに今年は、な」

「そうだった。機動六課の件があるもんね」

「そ。いくら既に本来の目的は達成しとるから以前みたいに常時待機する必要なんてないって言うてもちゃんと一年やり通さんとあかんと思うし、 事件自体は終わっても後片付けはまだ残っとるからね。 一応年末年始やからってことで私らも昨日から休暇をとっとるんやけど、さすがにミッドから出るわけにはいかんよ。
それでもまあまあ一人二人くらいやったら何とかなるとは思うけど、いくらなんでも全員はな」

「部隊長に副隊長二人、だからね。シャマルさん達もそれぞれ自分の役割があるし、さすがに無理か。
あれ? ってことはなのはやフェイトも?」

「いや、なのはちゃん達は帰省組や。二人とも残ってくれるって言ってくれたんやけど、私らと違って二人ともあっちに家族もいるし、 六課には私らが残るから大丈夫やって説得してな。ついさっきまではみんな揃って隊舎で新年会やってたんやけど、 今頃はヴィヴィオも連れて地球へ帰っとる途中とちゃうかな?
あの二人には去年一年頑張ってもらったから、こんな時くらいはちゃんと休んでもらわんと」

「確かにね。ただでさえ無理をする二人だから。特になのはにはしっかり休んで欲しいよ」

そう言ってユーノは茶を啜る。それにつられてか、はやても彼が出した茶に少し口をつけた。

「そういうユーノくんこそ色々無理したんと違う? 聞いたで?ヴィヴィオの件やらナンバーズの件やらの時、 無限書庫から物凄い数の過去の資料引っ張り出してきて色々と上に掛け合ってくれたって。 そうでなくともJS事件の事後処理で書庫も忙しくなってるやろうし、また大晦日までカンヅメになってたんちゃうか?」

座っていた来客用の椅子を少し引き、彼女は部屋を見渡す。独身者としてはかなり広いその部屋はある程度片付いているものの、 ところどころに論文の資料らしき紙の束や出土品と思われる遺物が散らばっており、 新年の用意や大掃除などが何一つとしてされていないことが窺えた。
寝ていたところを起こしてしまった負い目もあるのだろう、少し心配そうに自分を見つめてくるはやてに、ユーノは笑って答えた。

「あはは、年末はね。まあそのお陰で年始はこうしてゆっくりできるようになったし、 昨日は夜から朝…というか今日の明け方近くまで司書のみんなと忘年会をやってたから、 昔に比べたらそんなに無理してるわけじゃないよ。はやてが来たとき寝てたのもそのせい。あんまりにも盛り上がりすぎて、 そのまま新年会に突入したくらいだったからね」

確かに数年前までは年末年始ずっと仕事だったし、それが理由で彼女達からくる遊びの誘いに断らざるを得なかったことだって一度や二度ではない。 今は体制も人員も整っているのでそう無理をする必要もないが、あの頃のことを知っている者ならば今の言葉が出てくるのも無理らしからぬことである。

「ま、以前に比べたらそうか。
それにユーノくんのことやから、どうせ時間があっても大掃除とか正月準備はせーへんやろしな。そーいうところはズボラやから」

「う…」

実際その台詞は正しいだろうと思われるだけに思わず言葉を詰まらせるユーノ。 プライベートでは意外とズボラなのは自分でも否定できない事実だけに何も言えない。

「は、はやてこそ新年会やってたんだろ? こっちに来てもいいの?」

「それはさっきまでの話やって。なのはちゃん達が「そろそろ地球に行く準備するから」って言うて出てってな。  それにつられてスバル達もそろそろ家に帰るっていうたから一度お開きってことにしたんや。 で、時間が出来たもんやから無限書庫に行ってみたらユーノくんの秘書さんがおって
『――司書長なら本日より休暇となっております。 学会などのご予定もありませんから恐らくはご自宅かと』
って言うてくれたからここに来たんよ」

「それじゃあそれは」

「ん? これ?」

彼の質問にはやては座っていた椅子から立ち上がり、くるりと一回転。その動きに合わせ、振袖の袖がふわりと舞った。 黒を基調に袖などところどころを白や他の色で彩っているその振袖はどこか彼女自身のバリアジャケットに似ていて、 けれど普段とは違った雰囲気を彼女に纏わせている。

「正月やねんから振袖は当たり前やろ? そらミッドチルダやったらちょっとばかし珍しいかもしれへんけどな。
あ、道中はバリアジャケット纏ってたから問題ないよー」

「それはそれで問題あると思うんだけど……」

SSランク魔道士が本局内やら街中やらをバリアジャケット姿で歩き回っていれば振袖の時とは違う理由で人目を惹くだろう。
彼は「騒ぎとかになってなきゃいいけど…」と溜息混じりに呟く。

「むー、その反応はなんなんよ」

「振袖がどうだ、ってこと?
それなら似合ってるよ、凄く。僕の主観だから保障は出来ないけどね」

「あ、う……
そ、そんならええんよ、うん」

笑顔で言ったユーノの言葉に、さっきまでの少しむくれた顔とはうってかわって少し赤くなった顔で頬をぽりぽりとかく。 ついでに「こっちとしてはユーノくんが似合ってるって言ってくれるんやったらそれで十分なんやけど……」 と呟いたりもしていたのだが、小声だったからだろう、彼には聞こえていなかった。
照れを隠すかのように両手で湯飲みを持ち、一気に茶を飲み干す。

「そ、それにしてもこのお茶美味いなあ! ええお茶っ葉使ってるんとちゃうん!? なんか懐かしい感じもするけど!!」

「ああ、それ地球のお茶だよ。たまに地球に行く時に買い溜めしておいてるんだ。 どうも僕にはミッドのよりも地球産の方が舌に合うみたいでね。
たまにアルフに手伝いに来てもらうときにもあっちのお菓子やらお茶やらをついでに買って持って来てもらって書庫にも取り置きを…と、そうだ」

ふと思いついたように椅子から立ち上がると、戸棚からごそごそと何かを漁り始めた。 彼が何をしているか知りたくなったのか、はやてはひょいと横から覗き込む。

「? なにしてるん?」

「いや、折角来てくれたんだから何か出そうかなって思って。ええと、確かこの辺に」

「え、ええってわざわざそんな風に気を遣わへんでも! 勝手にやってきたのはこっちの方なんやから」

「いいよ。今年もいつもみたいに僕が一人で新年を過ごしてるだろうから寂しくないようにって来てくれたんでしょ?  だったら少しくらいはおもてなししないとね」

「う…まあそういうのもあるといえばあると言えるし、 ユーノくんと一緒にお正月過ごしたかったからといえばそれも正しくはあるんやけど…」

ぼそぼそと小声のはやて。一方ユーノは気が付いていないのだろう、そのまま棚を漁る。

「おせち料理とか大したものはないけど、お酒とおつまみくらいなら…あった」

引っ張り出してきたものをテーブルの上に置く。それは酒のつまみによくある袋に入ったスティックチーズやするめ。そして一本の酒瓶だった。

「うお、大吟醸やん。しかも結構高そうな。こんなもん一体どこで手に入れたん? こういうのミッドやったら売ってへんやろ?」

「ああ、前に地球に行った時、成人祝いだってことで士郎さんと恭也さんから貰ったんだよ。 あの時は朝まで飲まされてね…次の日学会だったからちょっと辛かったな。あ、はやてはお酒飲めるよね?」

「でもまああの時は楽しかったけどね」と言いながらコップを二つ持ってくる。そして酒瓶の蓋を開けようとしたところで、 はやてがおずおずと口を開いた。

「そら付き合いでお偉いさんと一緒に飲んだこともそこそこあるし、元よりある程度は飲めるよ。お酒自体も嫌いってわけやないしな。
……でもええんか? 折角士郎さん達に貰ったんやからなにもこんな時に飲まんでも」

「その士郎さんが言ってたんだよ。『お酒っていうのは飲みたい時に飲むものだから、飲みたいって思ったら遠慮なくあけてくれてもいいから』ってね。
それにこうも言ってた。『慶事にいいお酒を飲むのは、単に普段飲めない美味いお酒を飲みたいがための言い訳だ』とか。…よいしょっと」

ポン、という軽い音とともに栓が開く。親友の父親であるその懐かしい顔を思い出し、はやてはくすりと笑った。

「あはは、なんか士郎さんらしいなあ」

「というわけで、はやてが気にする必要は全然ないってこと。ね?」

「……そういうことやったら」

頷き、ユーノが注いでくれる酒をコップで受け止める。ついで代わりにユーノのコップへと酒を注いで。

「じゃあ」

「せやな。そしたら改めて。
――新年、あけましておめでとさんや」

「うん、おめでとう、はやて」

カチャン、と。
新年の挨拶と共に、二人はグラスを重ねた。






――それから約30分後。

「あはははははは! ユーノくん変な顔ー!」

「ってそれは君が人のほっぺた引っ張ってるからでしょうが! ……全く、まさかはやての酒癖がここまで悪かっただなんて」

すっかり出来上がってしまっているはやてを前にユーノは溜息をつく。最初は彼女が酒に弱いからだと思ったが、 飲んでいた酒の度数を見て考え直した。口当たりが良かったから思わずかぱかぱ飲んでしまっていたが成程、 この度数の酒をあれだけの速さで飲んでいたのならば酔っ払うのも無理はない。

『そういえばはやて、ここに来た時点でちょっと顔が赤かったっけ』

ここに来るまで六課で新年会をやっていたと言っていたのだから、きっとその時に飲んだ分が残っていたのだろう。 喋り方などは普段と同じだったから大して飲んでいなかったのだろうと思うが、それでも前の分の酔いが冷め切らぬうちにこれだけ飲めば、 少々酒に強かろうと関係ない。無論、酒癖そのものとは関係ないけれども。

「なあなあユーノくん、あとで六課にも来てくれるかー?」

「あ、うん。なのは達は無理でも、他のみんなに新年のあいさつをしておかないとって思うから。
あと、リイン達にお年玉をあげないと。ええと、エリオとキャロにもあげるとして…ヴィヴィオには帰ってきてからかな?」

「ええなーお年玉。私も欲しいなー。
そやユーノくん。私にもお年玉、ちょうだい?」

「……はやては僕と同い年でしょうが。それにどっちかっていうとあげる立場でしょ」

「えへへ、うち、5しゃい。ユーノおにーちゃん、おとしだま〜」

席を立ち、後ろから抱きついてきながら少々ろれつの回らない口調で言う。

「あのね、もういい大人なんだからそういうおねだりしても駄目。まったく、どこの歌姫だよ君は」

「うー、ええもんええもん。そやったら大人らしいやり方でおねだりするだけやもーん♪」

ぎゅうっ

「……う」

先程よりも更に強く抱きしめられ、はやての身体がより強く押し付けられる。和服の上からでもわかる膨らみが背中に当たっているのがわかり、 ユーノは目を泳がせた。

「あれー? ユーノくん、顔が赤くなっとるよー?」

「お酒を飲んでるからだよ! それに君ほどは赤くないし!」

「もー、誤魔化さんでも素直に言ってくれたらええのにー♪ 触りたいんやったら少しくらいはええで〜?  ほれほれ、しかも和服やからブラなしの生やー♪」

ますます強く身体を押し付けながらユーノの耳元に唇を寄せ、はやては言う。さきほどよりもはっきりと感じる柔らかな感触に加え、 酒の匂いに混じって、けれど確かに感じられる彼女自身の女性としての匂い。 普段なら一般的な同年代男子よりも多めの理性で受け流せるレベルであったそれも、今回それなりに酒を帯びているせいだろう、耐え切れるかどうかかなり怪しい。
それでも何とか理性を総動員して押し切った彼は、後ろから抱きついた(といっていいくらい身体を押し付けてくる)はやての手を解こうと自分の手をかける。

「あ、よーやくやる気になったんやね。おねーさん嬉しいわー」

「誰がお姉さんだよ。じゃなくて、さすがに離してって!」

「うー、ユーノくんいじわるさんやー」

「それはいいから取り敢えず離れ…」

「ちょ、そんないきなり引っ張ったらバランスが……!」

がたんっ!

「いたぁ……あ」

「………」



バランスを崩し、そのまま椅子から転げ落ちたその先で、二人は黙り込んだ。倒れこんだはやての上に覆い被さるような形で同じくユーノが倒れこむ。
そう、その姿はまるで彼がはやてを押し倒しているかのような――。

「え、ええと……」

「あ、う……」

現状を認識したか、二人は黙り込む。さっきまで頭を熱くしていたものとは違うものがお互いの身体に熱を与えていく。 着崩れた艶やかな振袖が扇情的で、また蟲惑的だった。
僅かな間、沈黙は続いて。

「ええとその、ごめんすぐにど」

「―――ええよ」

体を上げようとしたところでぽつりと呟かれた言葉に、彼は再びその動きを止めた。



hayate
絵・はっかい。様より


「え?」

「……ええよ? このまま続き、してくれても」

彼女の少し潤んだ瞳に自分の顔が映る。

「――――」

数秒置いたあと、彼は再び動きだした。片手をはやての肩の上に置き、軽く引き寄せる。 彼女もその行動の意図を理解したか両腕をユーノの首元へと巻きつかせ、上半身を軽く起こした。
そしてそのまま、二人はその、唇を―――。

「――何をしているのかな、ユーノくん」

「……え゛?」

この部屋で聞こえるはずのない第三者の言葉に、あとついでに感じられるよく見知った魔力に、ユーノはぎぎぎ、と体をそちらへと向ける。
そう、そこにいたのは。

「な、なのは? 地球に帰省してるんじゃなかったの?」

高町なのは。
彼ら二人の共通の親友であるところの彼女が部屋の入り口に立っていた。

「うん。でも年末は結構忙しくて帰る準備が殆ど出来てなかったんだ。 だから少し前までその準備をやってたんだけど、帰る前にユーノくんに一言新年の挨拶をしておこうかな、って思って。 それで無限書庫に行ってみたんだけど居なかったから秘書さんに聞いてたら
『――司書長なら本日より休暇となっております。学会などのご予定もありませんから恐らくはご自宅かと』
って言ってくれたんだよ。
だったらユーノくんも海鳴行きに誘おうかと思って来てみたんだけど」

「あ、ああ、そうなんだ」

「うん、そうなんだよ」

何の変哲もないはずの二人の会話。しかし何故かユーノの全身からは汗が噴き出るような勢いで流れていた。
何故だろう。暖房のきいているはずのこの部屋が寒く感じるのは。

「じゃ、じゃあもう一つ質問なんだけど…なんでバリアジャケットを着てるの? というか今さっきまで私服だったよね?」

「さあ、なんでだろうね」

静かに、抑揚の無い口調でいうなのは。ユーノは彼女を刺激しないようにゆっくりと上半身を起き上がらせるが、 一方のはやては首元に両腕を回したまま離れない。

「ちょ、はやて、離して…!」

「ええやん。さっきの続きしよ、続き――♪」

先程のテンションが戻ったのかそのまま「んー♪」と唇を近づけてくるはやて。その姿をちょっと可愛いと思ったユーノだったが、 目の前に差し迫ったそれは、はやてに対する感想など軽く消し飛んでしまう程の恐怖を彼に与えていた。

「こっちも聞きたいな。『続き』…って一体何の続きなのかな? かな?」

「いや、それは」

「モチ、私とユーノくんのらぶらぶちゅっちゅな新年姫初めの続きやー♪」

「って何言ってるのそこ!?」

「ふうん……」

言って、一歩一歩ユーノの方向へと歩を進めていく。僅かに顔を俯かせているせいで見えない表情が更に怖い。

「おかしいな…二人とも、どうしちゃったのかな」

二人の下へと歩いていくなのは。その手には何時の間にか、ユーノも凄く知った間柄であるデバイスが握られていた。

「な、なのは? レイジングハート、なんか起動してるよ? っていうかそれ、エクシードモードじゃない? ねえなのは!?」

「二人とももう子供じゃないってのはわかってるけど、そういうことはお遊びじゃないんだよ?
お正月で少しばかり浮かれてるからって、その場の勢いでそういうことをしちゃってちゃ……万が一の時、危ないじゃない。ちゃんとさ、ゆっくり考えてからにしようよ。
……ねえ、私の言ってること、私の想い、間違ってる……?」

「大丈夫、万が一の時は責任取って貰うっていうか寧ろバッチ来いっていうか――」

「はやてェェェェ!?」

さらりと爆弾発言をぶちかますはやての口を後ろから手で抑える。が、その姿はまるでユーノが彼女を後ろから抱きしめているようであり、 その上さっきの一連の行動ではやての振袖は更に着崩れ、彼からは見えないものの、ずり落ちた肌襦袢から半分胸が見えていて――

「ねえ、二人とも。
ちょっと…ううん。かなり頭、冷やそっか」

「ってブラスタービット!?」

「あ、あちゃー…まずいわ。なのはちゃん、予想以上に怒っとる」

バインドで拘束される二人。二人いっぺんに拘束された為によりさらにくっつくことになり、 その姿がまたなのはの怒りを買い、さらに力強く締め上げるという負のスパイラル。 無論バインドで締め上げているのはなのはの手によるものなので自業自得であるのだが、彼女の思考はそこまで回っていない。

「ふうん…そんなにくっつくんだ」

「いや、くっつけてるのはなのはで寧ろ僕は離れたいと思って」

「うう、そんなこと言うん? さっきまで愛し合ってた仲やないかー」

「だからはやても煽らないでよ!?」

「いいよ。だったらちゃんとわかってもらうね。大丈夫、非殺傷設定だし、一発だけにしておくから」

ブラスタービットの先が全てこちらを向く。集結していく魔力。その魔力に、そして術式に、彼らは憶えがあった。

「まずい、まずいで! こりゃなのはちゃん本気や!
こーなったら二人の愛の力、合体技の多重複合シールドで」

「そんなこと言ったら余計なのはを怒らせるでしょ!?
あ、もう間に合わ」

「スターライト・ブレイカ―――――!!!!」

―――その日、この部屋にて、『ゆりかご』における最終決戦で観測された時以上の魔力値が検出されたという。
また、この次の日から起動六課隊長と無限書庫司書長が暫くの間聖王教会系列の病院に入院していたらしいが、その理由は定かではない。









追伸

それから数日後、二人の入院している病室の窓から桃色の光の柱が見えたという証言もあるが、それもまた、定かではない。












































あとがき
はっかい。様のお正月リクエスト。御題は『ユーノ×はやてで寸止め姫初め』。 寸止めする理由といえばこういう方法しか思いつかなかった。そんなオチ担当のなのはさんに乾杯。はっかい。様の絵が破壊力抜群すぎるZE。
実はこれ、裏でこつこつ書いている短編連作の設定の上で書いていたりします。基本カップリングとか、 話にちょっと出てきたユーノの秘書さんとか。こちらも書けたら皆様に出す所存です。
それでは今回はこの辺で。
当サイトのリリカルにおける目標がユーはやと言えばこのサイト、 と言われるようになる、なレアなユーはや派のほーがしおんより


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