兵器外観
名称 85mm野砲(師団砲) D-44 1944年型
[85mm D-44 Divisional Gun Model 1944]
型式
製造国 ソ連
製造メーカー
配備国 旧ソ連、旧共産圏の多くの国、アラブ諸国など
製造初年 1945年
口径 85 [mm]
口径比 55
砲身長 [mm]
全長 [m]
全高 [m]
全幅 [mm]
全備重量 1703(SD-44は2250) [kg]
腔綫 有り
砲身材質
砲身命数 [発]
閉鎖機 垂直鎖線式
平衡機
駐退複座機 液気圧式
最大駐退力 [kg]
後座長 [mm]
照準具 S-71-7パノラマ照準器とOP1-7またはOP2-7、OP4-7、OP4M-7のいずれかの望遠照準器で構成されていた。追加して、APN-2またはAPN3-7暗視照準器のいずれかも使用可能であった。
上下射角 −7〜+35 [deg]
水平射角 54 [deg]
最大射程 [m]
装薬
公算誤差
砲口初速 [m/sec]
発射速度 12〜15 [発/min]
砲弾 ・365および367シリーズの砲弾を使用、固定弾。367シリーズは第二次世界大戦後の開発。
詳細は、別表Aを参照のこと。
操作人員 6〜8 [人]
布設所要時間 [min]
説明 [開発]
 本砲は、旧ソ連のよって開発された野砲(師団砲)である。本砲の全体は、#9工場(Uralmash)の設計局で開発されていた。しかし、最初の原型は#92工場で試作された。試作砲は、工場での試験の後、#9工場でわずかに改造された。1945年の5月8日、その改造された砲は、Gorokhovetsky試験場に送られ、政府による試験が開始された。砲は、道路上を「Studebakker」トラックに牽引され1030km、路外をYa-12トラクターに牽引され482km、合計1512kmに渡る走行試験が実施された。その他、仰角20度での射程距離における集弾試験で15発、仰角13度での射程距離における集弾試験で11〜13発、最大射程での集弾試験で20〜22発を射撃した。一方、試験の結果、本砲は、いくつかの理由(特に排莢(薬莢の排出)の不具合)で合格できなかった。すべての不具合の改良後、試験に合格し、85mm D-44 師団砲[85 mm D-44 divisional gun]という呼称のもと、配備が進められた。最大牽引速度は55km/hであった。
[構造]
 本砲は、ダブル・バッフ式の砲口制退器、半自動式の垂直鎖栓機(薬莢は自動抽出)、液気圧式の駐退復座機、鋳造の揺架をもつ。照準具は、S-71-7パノラマ照準器と、OP1-7またはOP2-7、OP4-7、OP4M-7のいずれかの望遠照準器で構成されていた。追加して、APN-2またはAPN3-7暗視照準器のいずれかも使用可能であった。砲架は、GAZ-AAトラックの車輪を流用し、トーションバー式の懸架装置を備えていた。
[バリエーション]
 1948年の終わりごろ、本砲の自走可能のバリエーションが開発された。この砲の弾道、弾薬、貫徹能力は、D-44と同一である。この自走可能なD-44は、1954年11月11日にSD-44のいう呼称で配備許可がおりた。SD-44は重量が2250kgに増加したが、時速25kmで自走が可能で、最大牽引速度も60km/hへ向上した。SD-44は、合計697門が製造された。
 その他、1947年に#9工場で、特別に強化された新型のZIS-D-44A師団砲が開発されたが、配備は許可されなかった。
参考文献
参考WebSite ・「RUSSIAN BATTLEFIELD」 URL:http://www.battlefield.ru/
・「戦史研究」 URL:http://www.bekkoame.ne.jp/~bandaru/
写真 エジプトの国立軍事博物館にて撮影(ファイアー様提供)及び、ポーランドのワルシャワ軍事博物館にて撮影(K.K様提供)。

別表A 運用砲弾
砲弾 発射薬名
発射薬
重量
[kg]
弾丸 弾種 完成弾
重量
[kg]
弾丸
重量
[kg]
初速
[m/sec]
炸薬
重量
[kg]
信管 着弾角度
[deg]
貫徹能力[mm]
100m 500m 1000m 1500m 2000m
UO-365K G-365 2.5 O-365K HE 16.3 9.54 0.646 KTM-1、
KTM-1-U
UO-367 1.5〜1.8 O-365K HE 14.95 9.54 0.703〜0.741 KTM-1
UO-365 2.48 O-365 HE 15.95 9.2 0.646 T-5
UBR-367 2.63 BR-367 APBC-HE? 16 9.2 0.044 MD-8、
DBR-2
60 110 100 90 80
90 135 120 110 110
UBR-365 2.48〜2.6 BR-365 APBC-HE 16 9.2 0.164 MD-5、
MD-7
60 97 90 85 75 70
90 119 110 100 95 85
UBR-365K 2.48〜2.6 BR-365K APBC-HE? 16 9.2 0.048 MD-8 60 95 90 75 65 55
90 117 110 95 80 65
UBR-365P
UBR-365PK
2.5〜2.85 BR-367P APCR 11.42 4.99 なし なし 60 155 130 105
90 210 180 150
UBR-367P
2.5 BR-365P APCR 11.72 5.3 なし なし 60 147 100 80 60
90 180 140 110 85
UPBR-367 2.5 PBR-367 APCR-T 11.72 5.3 なし なし
UBK-367 1.3 BK-367 HEAT 14.95 9.25 0.994 GKN
3BK2 1.3 BK2 HEAT-FS 14.95 7.351 0.935 GPV-1、
GPV-2
UD-1 2.6 D-2 SMOKE 16.3 9.54 KTM-1-U
UD-2 1.5〜1.8 D-2 SMOKE 14.95 9.54 KTM-1-U
UD-367 1.5〜1.8 D-367 SMOKE 15.65 10.07 KTM-2

 

写真(写真をクリックすると大きな写真が見られます)

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2001.8.25更新 榴弾砲format_v0.5