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炭水化物を摂取した方が体脂肪は燃えやすいのでしょうか??
ボディビルや筋トレの世界で、そのようなことがよく言われますが、正しくにはつぎのようです。
その前に、言葉の説明をしておきます。炭水化物の成分は大部分がブドウ糖です。他に食物繊維も含まれています。糖質と食物繊維を合わせて炭水化物を呼びます。食物繊維は腸を素通りし、大腸のビフィズス菌のエサになり、大腸がんを防ぎ便通を良くするなどの良い働きをします。この食物繊維は大腸を素通りしますから、体内に入ってきません。
炭水化物のうち、体内に吸収されるのはブドウ糖です。体内に吸収されたブドウ糖は、ほかのアミノ酸や脂肪などの栄養と一緒に血管を通じて全身の筋肉のまわりに集まってきます。
筋肉はブドウ糖を取り込んでエネルギーにし、アミノ酸を取り込んで筋肉を作り、脂肪を取り込んで予備エネルギーとして蓄えます。ただし、この3つの栄養素を筋肉に取り込むには、インスリンの助けが必要です。もしもインスリンが分泌されていなければ、筋肉はこれらの栄養を取り込めないので宝のもち腐れになります。
筋肉が必要なインスリンは、膵臓を流れる血液中のブドウ糖濃度が110mg以上にになったら分泌されます。ボディビルダーたちが筋肉を増強しようとしてプロテインをいくらたくさん飲んでも、炭水化物を摂らなければ、インスリンが分泌されないのでアミノ酸を取り込んで筋肉を増大できません。ですから、体育会系の人たちにとって、炭水化物の摂取は重大な関心事です。
ところで、インスリンは体脂肪組織が脂肪を取り込むの助けますが、同時に体脂肪の溶け出しを抑制する強力な作用があります。体内で、体脂肪の貯蔵と溶け出しが同時に起こらないようになっているわけです。ですから、体脂肪組織が脂肪を取り込んでいる間は、いくら有酸素運動でがんばっても体脂肪を燃焼することができません。
体脂肪を燃やしたい時は炭水化物を摂る前に運動し、運動後に炭水化物を摂るようにすると効果的です。すなわち、食前に運動し、運動後に栄養補給するのがベストです。
体育会系の人たちは脂肪を燃やすために炭水化物のエネルギーが必要といいます。
ブドウ糖を燃やすときには、そのためにブドウ糖の一部を燃やしてブドウ糖を燃やします。
脂肪を燃焼するためにも、そのためにエネルギーが必要ですが、そのエネルギーは脂肪のエネルギーの一部を使って燃やすので、脂肪を燃やすのにブドウ糖のエネルギーは必要ということはありません。
すくろ〜るさん>
みなさん、こんにちは。すくろ〜るです。
脂肪代謝は、ダイエッター共通の関心事ですが、スポーツ選手の持久力にも大いに関係があり、研究されています。
筋肉の運動エネルギーとしての脂肪燃焼の仕組みは、ダイエッターが脂肪を燃やすヒントにもなると思い、調べたものをまとめてみました。(と言いつつ、ほとんど丸写しだな。でも、これで書籍を図書館に返せる!)
筋肉のエネルギー源
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筋肉を動かすときの運動エネルギー源には、アミノ酸、グルコース、そして、脂肪酸が使われます。
このうち、アミノ酸が運動エネルギーとして使われる割合は常に15%程度と少ないものなので、エネルギー源としては言及されないことも多いようです。 残りの85%は脂肪酸とグルコース(糖)が競合して用いられ、トレーニング状態、運動の強度や時間、運動前・運動中に摂取する飲食物の影響を受けて、それぞれの割合が大きく変動します。
エネルギー源となる脂肪酸とグルコースにもいろいろあります。
グルコース
(1)飲食物の糖質が消化され、血中に吸収されたグルコース
(2)筋肉グリコーゲンに由来するグルコース
(3)肝臓グリコーゲンが血中にグルコースとして放出され、筋肉によってとりこまれるもの。
脂肪酸
(1)食事の脂肪が消化・吸収されて血中に現れた脂肪が、筋肉に取り込まれたもの
(食餌由来の脂肪は、食後3〜4時間、血中に存在)
(2)脂肪組織の貯蔵脂肪が脂肪酸に分解されて血中に放出されたものが、
筋肉によってとりこまれるもの。
(トレーニングによって、脂肪組織から血中に脂肪酸を放出する
ホルモンと、血中脂肪酸を筋肉細胞に取り込むホルモンに対する
感受性が高まり、エネルギー化しやすくなる)
(3)筋肉中の脂肪が分解して生じた脂肪酸
(4)肝臓や小腸で合成されて血中に分泌された脂肪が、筋肉に取り込まれたもの
(運動エネルギーとしてはあまり使われない)
脂肪代謝について、興味深いポイントが6つほどあります。
【1】トレーニングが脂肪代謝を高める
【2】女性ホルモン(エストロゲン)が脂肪代謝を促進する
【3】運動強度で脂肪酸利用量が変わる
【4】糖質摂取が脂肪燃焼を止める
【5】カルニチンは脂肪代謝に必須
【6】持久力を高める脂肪食
女性ホルモンの分泌については、こちらのURLがわかりやすく、お勧めです。
http://www.ladys-home.ne.jp/faqsite/ans-files/FAQ-A/FAQ-A4.html
また、月経周期に個人差があるので、体重変化とあわせて基礎体温を
見ていくと、運動の効果を把握しやすくなります。基礎体温については、
こちらのURLに、いろんなパターンが説明付きで例示されています。
http://www.terumo.co.jp/healthcare/info_kiso/index.html
詳しく知りたい人は、以下をどうぞ。
【1】トレーニングによって筋肉の脂肪動因能力が高まる。
トレーニングを積むことで、同じ運動でも脂肪がエネルギーとして使われる割合が増えます。これは、脂肪酸をエネルギーとして使うための(中性脂肪の分解、筋肉細胞への取り込みに関係する)酵素の反応が高くなるからです。
運動でインスリン感受性が高まるのと似たような仕組みですね。脂肪が燃えやすく溜まりにくい体質にするためにも、適度の運動が必要ということが言えます。
【2】女性ホルモンの脂肪代謝促進作用
女性は男性と比べて、脂肪を運動エネルギーとして使う割合が高く、これには、女性ホルモンのエストロゲンが関係しているようです。
雌ラットにエストロゲンを5日間投与して比較した実験では、投与ラットの内臓脂肪が非投与ラットと比較して3割減少、筋肉脂肪の割合が3割増しになっています。さらに、運動時には、赤筋の脂肪蓄積が運動前の3倍くらいにまで増え、エストロゲン分泌期の運動エネルギーとして脂肪が積極的に使われることが示唆されます。
エストロゲンの分泌量は生理周期で変わりますが、生理と排卵前後を除く7割方の期間はエストロゲンが分泌されているので、運動すれば脂肪は燃えるのだと考えて良いでしょう。
排卵から生理にかけての黄体期には別の女性ホルモン(黄体ホルモン)が分泌され、脂肪や水分が蓄積されるために体重の減り方は目減りしますが、この期間の運動も意味が無いわけではありません。
【3】運動強度でエネルギー源の割合が異なります。
これは、Diet6では、おなじみの話しですが、軽い運動の方が強い運動よりも脂肪をより多くエネルギーとして使います。
ジョギング程度の運動が脂肪と糖質を使う割合の分岐点になるので、脂肪を効率よく燃やすために適した運動は、ジョギングよりも軽い、ウォーキングやエアロビクスなどの有酸素運動です。
さて、筋肉のエネルギー源としての脂肪酸をもう少し細かくみてみると脂肪酸には、「血液中の脂肪酸」と「筋肉中の脂肪酸」があります。
これは、食餌由来の脂肪や中性脂肪が分解されて血液中に流れ込んだものと筋肉に溜め込まれた脂肪が脂肪酸に分解されたものです。
運動強度によって、使われる脂肪やグリコーゲンの割合も、血中由来と筋肉由来の割合が変わります。ある教科書に引用されている実験データによると、下記のような割合になっています。
( o = 血中脂肪 O = 筋肉脂肪 x = 血中グリコーゲン X = 筋肉グリコーゲン)
軽度 |oooooooOx
中度 |ooooooOOOOOOxxXXXXXXX
強度 |ooooOOOOOxxxxXXXXXXXXXXXXXXXX
|----+----|----+----|----+----|
0 100 200 300 (cal/kg/min)
運動強度が高くなるほど、筋肉中のエネルギー源を使う割合が高くなります。
運動選手の場合、この筋肉中のエネルギー源(脂肪とグリコーゲン)がどれくらい蓄積されているかが、スタミナやパワーの決め手になるわけです。
持久力を要する中度の運動の場合は、脂肪(とグリコーゲン)の蓄積量、瞬発力を要する強度の運動の場合は、グリコーゲン(と脂肪)の蓄積量が重要です。
余談になりますが、この実験結果から見る限りでは、 ウォーキングやエアロビクスといった有酸素運動では、グリコーゲンを ほとんど使いません。身体が運動になれるまではお腹が空くかもしれませんが、 Deit6の設定では、運動で追加摂取する糖質は運動量の40%なので、 慣れてしまえば「論理的、糖質的には」空腹感はそれほどないはずです。
このほか、筋肉脂肪が使われる割合は時系列でも変化し、自転車こぎの実験によると、筋肉脂肪が運動に最も多く利用されるのは以下の時間帯です。
・中度の運動:運動開始後 20分〜75分くらいの間(消費カロリーの25%〜30%)
75分以降は、血中脂肪酸の割合が増加
・軽度の運動:運動開始後 45分〜90分くらいの間(消費カロリーの5%〜10%)
体脂肪全体を燃やすだけなら、運動強度の低い有酸素運動を20〜30分程度ずつ頻繁に。
筋肉の霜降り脂肪も落としたいなら、1時間〜1時間半程度の有酸素運動や
中度の運動を適度にとりいれると良さそうです。とはいえ、運動によって
筋肉への脂肪取り込みも促進されますから、下手にやると筋肉脂肪が余計
増えてしまう可能性もあるので、要注意!
【4】運動前や運動中に糖質を摂取すると、脂肪燃焼が止まります。
脂肪燃焼の止まり方は、「即時停止」と言っていいほど、急速に止まります。
筋肉は、脂肪酸とグルコースを競合して使うので、脂肪酸供給が止まる結果、
グルコースをエネルギー源にする割合が増大します。
これは、糖が脂肪細胞や筋肉に取り込まれて作られるグリセロリン酸と
いう物質が、せっかく脂肪酸に分解された脂肪を元の中性脂肪に戻して
しまう空回りの回路をつくってしまい、脂肪酸が筋肉に供給されなくなる
からです。
せっかく運動をして代謝が亢進しても、運動の前後に糖質を摂ると
脂肪燃焼が止まってしまい、やたらとお腹が空く結果になりかねないので、
気をつけましょう。
ただし、特例として、果糖(フルクトース)は、脂肪燃焼を止める作用が
著しく小さいことが知られています。
スポーツ時に脂肪のエネルギー化を高く維持するために(持久力を維持
するために)、糖質の摂取をフルクトースに限定する方法があります。
タマリンドのHCAは糖質から脂肪合成の経路を阻害して、脂肪にまわる
糖質を減らしますが、そのことで糖質摂取時に脂肪燃焼を持続させる
効果もありそうです。
【5】カルニチン
脂肪酸をエネルギー化するのは細胞の中のミトコンドリアですが、
脂肪酸をミトコンドリアの中に取り込むためにカルニチンが必要です。
カルニチンは、肝臓と腎臓で必須アミノ酸のリジンとメチオニンから
合成され、合成にビタミンCが関係します。
栄養摂取が正常であればカルニチン不足に陥ることはなさそうですが、
積極的に脂肪を燃やす生活をしているダイエッターでは、ときどき少し
足りなくなるのかもしれません。
最近はサプリメントも見かけますが、2週に1度くらい、カルニチンを
大量に含む、ラム、牛肉、馬肉の料理を取り入れておけば良さそう。
鰹もカルニチン含量が高いそうですが数値は不明です。
http://202.216.128.227/%E9%80%8F%E6%9E%90%E7%99%BE%E7%A7%91/04.20.htm
食品中のL-カルニチン含有量 食品名 100g当たりのカルニチン含有量
牛肉(テンダロイン) 59.8 mg
牛肉( 肩 ) 67.4 mg
牛肉( 臀部 ) 61.6 mg
羊肉 208.9 mg
鶏肉 4.55〜9.10 mg
牛乳 1.9 mg
鶏卵 0.8 mg
パン 0.2 mg
ダイエットを始めて豆と鶏ばかり食べていたころ、心臓が痛くなった
ことがあります。心臓の鼓動がズキズキ痛む感じでした。
心筋はエネルギーに脂肪を優先的に使い、カルニチン不足で心肥大や、
倦怠感、筋肉痛が起こるらしいので、あれはカルニチン不足だったのかも
しれません
【6】高脂肪食で運動時の脂肪代謝が促進されスタミナ増大
筋肉グリコーゲンは運動時のスタミナ源と考えられていますが、
カーボローディングされた筋肉では、グリこーゲンが豊富に供給されるため
運動時の脂肪代謝が低下するそうです。
食事中の蛋白質を12〜14%に固定し、3段階の脂肪含量(15, 24, 38% )
の食餌を1週間摂取したグループを比較した運動継続時間(持久力)の
実験があります。高脂肪食、普通食、高糖質食の比較になりますね。
その結果、トレッドミルランニング継続時間は、高脂肪食で最も高く、
38(高脂肪食) > 15(高糖質食) > 24(普通食) の順になっています。
高脂肪食が筋肉への脂肪蓄積と運動時の脂肪代謝を促進し、スタミナ増大
になるという結論です。普通食では、脂肪酸とグリコーゲンの切り替えで
エネルギー切れになるのかもしれません。
【おまけ】高脂肪食ダイエット
スポーツ系の減量方法に高脂肪食ダイエットというのがあるそうです。
グリコーゲンをエネルギーの高い脂肪に置き換える形で体重減少させる
ものなのかな? 面白そうなので、詳細が分かったらお知らせします。
参考資料:
「運動とエネルギーの科学」中野昭一、竹宮隆編 杏林書院1996
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すくろ〜る ♀ 157.2cm TANITA TF-710 [朝] 精度 0.1(+-0.2)kg/0.2%
現 在 62.4kg BMI25.3 体脂肪率am 32.0% (体脂肪量c+ 59%) 03/11/04
開 始 78.0kg BMI31.6 体脂肪率am 50.0% (体脂肪量c+200%) 03/06/30
目標1 65.6kg BMI26.5 体脂肪率pm 35.0% (体脂肪量 + 80%) 03/10/07達
目標2 53.1kg BMI21.5 体脂肪率cl 23.5% (体脂肪量c+ 0%)
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