兵器外観
名称 36インチ重臼砲「リトル・デービッド」
[36-Inch Little David heavy mortar]
型式
製造国 米国
製造メーカー
配備国 米国
製造初年 1944年10月
口径 914 [mm]
口径長 7.79
砲身長 [mm]
全長 [m]
全高 [mm]
全幅 [mm]
重量 全備重量:60トン [ton]
腔箋 有り
砲身材質
砲口制退機 無し
砲身命数 [発]
閉鎖機
平衡機
駐退複座機
最大駐退力 [kg]
後座長 [mm]
照準具
上下射角 [deg]
水平射角 [deg]
最大射程 10km前後(6マイル前後) [km]
装薬
射程距離 [m]
公算誤差
砲口初速 [m/sec]
発射速度 [発/hour]
砲弾 砲弾重量:約1640kg(約3650ポンド)
操作人員 [人]
布設所要時間 12時間
説明 本砲は、世界最大口径の大砲で「リトル・デービッド」という愛称の臼砲です。口径が36インチ(91.4cm)ですから、ドイツの重列車砲グスタフ(口径80cm)や、自走臼砲カール(口径60cm)よりも大きく、まさしく世界最大です。本砲は、当初、航空爆弾の弾道試験用に開発されました。航空爆弾の威力を測定するには、標的に一定の速度でぶつける必要があります。しかし、航空機からの投下では当たる確率が非常に低いのです。そこで本砲のような航空爆弾の発射試験用の臼砲が開発されたわけです。1944年10月に米国陸軍は、この試験砲に目をつけました。きたる日本本土侵攻作戦において要塞の集積弾薬庫を吹き飛ばす巨砲がほしかったのです。そして試験砲に小改造を施して実戦化を試みていました。しかし、1945年8月16日に日本は本土防衛戦を行なわずに無条件降伏しました。本砲は、終戦までに完成しなかったとも1門だけが完成していたとも言われています。どちらにしろ日本本土進攻作戦が無かったために、実戦に参加することはありませんでした。
参考文献 ・「大砲撃戦 第二次世界大戦ブックス37」 Ian V Hogg著 小野佐吉郎訳 中野五郎監修
参考website ・「Globalsecurity.org」
URL:http://www.globalsecurity.org/military/systems/ground/little-david.htm(該当ページ)
URL:http://www.globalsecurity.org/(TOPページ)
備考 カラー写真は、ご隠居X様より頂いたものです(感謝)
白黒写真は、参考WebSiteの「Globalsecurity.org」よりの転載です。
作成 2004/08/05
更新 2005/05/16

 

No. 写真
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解説
1  米国のアバディーンに残る36インチ重臼砲「リトル・デービッド」です。手前の三角帽子のようなものが砲弾で、重さが約1640kg(約3650ポンド)もあります。中央の筒状のものが砲身部で、車台(トレーラー)を含めた重さが約36トン(約80000ポンド)、奥の箱状のものが、砲の基礎部分で、車台(トレーラー)を含めた重さが約42トン(約93000)ポンドもあります。

(この写真は、ご隠居X様より頂いたものです(感謝))
2  砲身部を側面から見た写真です。日本軍の擲弾筒のような形状です(大きさが全然違いますが、^_^;)。

(この写真は、ご隠居X様より頂いたものです(感謝))
3  射撃状態の写真です。この状態で、約60トンの重さになります。巨大な迫撃砲という感じ。輸送状態から、この状態にするまでに、12時間を要すします。

(以下の写真は、参考WebSiteの「Globalsecurity.org」からの転載です)
4  砲身部の輸送状態です。
5  基部の輸送状態です。
6  射撃状態を後ろからみた写真です。
7  砲弾の写真です。重さが約1640kg(約3650ポンド)もあります。弾尾に、射撃時の発射ガス漏れ防止のために腔線と噛み合う弾帯があります。腔内での推進抵抗を減らすために、弾帯にはあらかじめ、腔線と合う溝が切ってあります。
8  砲弾を装填する様子。前装式なので、まさに迫撃砲です。人間と大きさを比べると、その巨大さが判ります。

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2001.8.25更新 榴弾砲format_v0.5