兵器外観
名称 Mk15 Phalanx Close-In Weapons System
高性能20mm機関砲(20mm・バルカン・ファランクス)
型式
製造国 米国
製造メーカー ヒューズ・ミサイルシステム社[Hughes Missile Systems Company](本システムを開発したGeneral Dynamics社の部門は1992年にHughes社に売却された)
配備国 米国、日本
製造初年 1978年、(ブロック1:1988年)
口径 20 [mm]
口径長 約90(砲身長より換算)
砲身長 約1800 [mm]
全長 [mm]
全高 [mm]
全幅 [mm]
全備重量 5625(ブロック1以降:6120) [kg]
腔綫 有り
砲身材質
砲身命数 [発]
閉鎖機
平衡機
駐退複座機
最大駐退力 [kg]
後座長 [mm]
照準具
上下射角 -35〜+90 [deg]
水平射角 360 [deg]
最大射程 約4500 [m]
装薬
射程距離 有効射程:約1500 [m]
公算誤差
砲口初速 1120 [m/sec]
発射速度 3000(ブロック1以降:4500)、発射弾数は1バーストで60〜100発 [発/min]
砲弾 APDS
操作人員 [人]
布設所要時間 [min]
説明 ●概要
 本システムは米国が開発し1978年より量産が開始された近接防御システム(CIWS:Close In Weapon System)で、以降、米国海軍の多くの艦艇で配備されている。また、海上自衛隊の護衛艦の多くにも配備されている。なお、自衛隊での呼称は高性能20mm機関砲である。
 本システムは射撃指揮レーダーと20mmガトリング形式機関砲M61A1、門型の砲座、箱型の砲台駆動装置、電子装置の5つのユニットで構成される。本システムでは、射撃指揮レーダーにより探知された標的は、全自動で識別装置で解析され、脅威である場合、ただちに照準され迎撃される。弾丸にはAPDS弾(弾芯直径15mm)が使用されており、これは対艦ミサイルの半貫徹弾頭を破壊するためである。APDSの弾芯は当初、劣化ウランが使用されていたが、環境問題から1988年よりタングステン弾芯が使用されるようになった。搭載弾数は、989発(ブロック1以降:1550発)。また、脅威の増大に伴い数度の改良が行われている。改良内容は以下の通りである。
・ブロック0:初期型
・ブロック1:高高度ミサイルを検知可能な新型探索アンテナの組込、探索感度の改善、搭載弾薬の増大(989発→1550発)、発射速度の向上(3000発/min→4500発/min)、弾芯材質の変更(劣化ウラン→タングステン)などの改良を施し、脅威への対処能力を向上させた。
・ブロック1A:旧式の汎用デジタルコンピューターに替わり、より処理速度の高いHOLC[High Order Language Computer]を組込んだ。また、改良された火器管制アルゴリズムは、特殊な飛行をおこなう[maneuvering]目標に対処可能である。
・ブロック1B:昼夜探知能力の向上と、低速またはホバリングした航空機および水上目標へ対処可能とするため、FLIR[Forward Looking Infrared Radar]、サーマルメージャーAAVT[Automatic Acquisition Video Tracker]およびスタビライザーシステムなどが追加された。
・ブロック2C:統合火器管制能力が付与された。また、メンテナンス性の向上と安全のためのコンバージョンキットが本体内に組み込まれた。
参考文献 ・「艦船メカニズム図鑑」 森恒英 グランプリ出版
・「2001自衛隊装備年鑑」 朝雲新聞社
参考WebSite ・「Federation of American Scientist」 URL:http://fas.org/index.html
備考 写真は、あまぎり型護衛艦の搭載砲。2000年度観艦式で撮影。

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2001.8.26更新 榴弾砲format_v0.5