兵器外観
名称 75式自走155mm榴弾砲
型式 155mmHSP
製造国 日本
製造メーカー 車体:三菱重工
砲塔:日本製鋼所
搭載砲:日本製鋼所
配備国 日本
製造初年 1975年
搭載砲関連データ
名称 75式155mm榴弾砲
口径 155 [mm]
口径長 30
砲身長 4650(砲身全長) [mm]
腔綫 右巻き48条(20口径につき1回転)
砲身材質 降伏点:112[kg/mm^2]、絞り:15[%]以上
砲口制退機 2段クロス型
排煙機 同心筒型(チェック弁および排出ノズル孔6個)
閉鎖機 垂直鎖栓式、半自動
平衡機 バネ式
駐退複座機 複座機:気圧式(窒素:60kgf/cm^2)
駐退機:液圧式(2筒)後座長調整装置付
照準具 パノラマ眼鏡:倍率4倍、固有視界10度、対物鏡径16mm、俯仰角各300[ミル](約16.9[deg])、方向目盛左右3200[ミル](約180[deg])、潜望高さ500mm
L型眼鏡(直接照準用):倍率4倍、固有視界10度、対物鏡径35mm
後座長 865〜535(可変) [mm]
マウント
上下射角 -89〜+1156(-5〜+65)、油圧式ハンドル操作、手動の場合:ハンドル1回転で4.1[ミル] [ミル](deg)
水平発角 全周可能、油圧ハンドル操作、手動の場合:ハンドル1回転で低速時2.8[ミル]、高速時6.1[ミル]
動力旋回の場合:30秒で360[deg]
[ミル](deg)
最大射程 19000(通常弾のみ) [m]
装薬 緑包M3(1〜5号装薬):シングル・ベースM1、急燃性、2.7kg
白包M4A1(3〜7号装薬):シングル・ベースM1、緩燃性、6.3kg
黄包M30装薬(8〜9号):トリプル・ベース発射薬M30、緩燃性
射程距離 7号装薬:〜15,300(M107榴弾
9号装薬:〜19,000(75式榴弾
[m]
公算誤差 射距離15000m、75式榴弾:前後40[m]、左右4[m]
射距離18000m、75式榴弾:前後50[m]、左右7[m]
砲口初速 720(9号装薬時) [m/sec]
発射速度 6 [発/min]
砲弾 75式榴弾M107榴弾、M118照明弾、M105ガス弾、M110黄燐発煙弾、M116着色発煙弾、模擬弾
搭載弾数 28(車体内:10、装填機内:18) [発]
車体関連データ
全長 7790 [mm]
全高 2545 [mm]
全幅 2980 [mm]
重量 25300 [kg]
装甲 NDS H 4001防弾アルミ合金溶接構造
エンジン 三菱6ZF V型6気筒 空冷2ストローク・ディーゼルエンジン
出力 450hp/2200rpm
トルク
トランスミッション
ブレーキ
サスペンション
転輪
履帯
燃料タンク 650 [L]
出力/重量比 17.8 [hp/t]
電装 24 [V]
航続距離 300 [km]
登坂能力 60 [%]
最大速度 路上:47 [km/h]
接地圧 0.64 [kg/cm2]
超濠幅 2.5 [m]
超提高 0.7 [m]
最小旋回半径 超信地旋回 [m]
NBC防御 有り
夜間視察装置 有り
操作人員 乗員3名、砲班3名 [人]
説明

 1975年に自衛隊で正式化された自走榴弾砲。搭載砲は、戦後2番目の完全国産火砲である。本砲の最大射程19000mは、当時、ソ連の自走榴弾砲である、152mm自走榴弾砲2S3の最大射程18500m(通常弾、RAP弾だと24000m)より500mほど長く、けっして悪い性能ではなかった。砲塔・車体の装甲とも73式装甲車や74式自走105mm榴弾砲の装甲材質と同一のアルミ合金装甲BA40)という種類である。
 本砲には、弾丸の自動装填装置(装薬は手動装填)が採用されており、省力化および発射速度向上の一助となっている。
 本砲が開発された当時の陸上自衛隊の師団特科連隊(師団砲兵連隊のこと)は、105mm級榴弾砲を装備する直接支援大隊と155mm級榴弾砲を装備する全般支援大隊で編成されていた。また、105mm榴弾砲は、155mm榴弾砲と比較して発射速度も早く、弾薬の補給や陣地の構築・撤去も容易なことから、直接支援には有用と考えられていた。これらのことから、全般支援には75式自走155mm榴弾砲を、直接支援には74式自走105mm榴弾砲をとの考えであった。一方、74式自走105mm榴弾砲の量産は1975〜1978年までに20両だけで打ち切られ、特科連隊で運用される自走榴弾砲は1本化された。この理由は、1)本砲の正式化の翌年に正式化された75式自走155mm榴弾砲でも充分に直接支援に対応できること、2)補給・整備についても多種の自走砲を配備するより一機種の方が効率が良いこと、3)本砲の性能が仮想敵国の同時期同クラスのものよりも、全般的に劣っていたこと(その点、75式自走155mm榴弾砲は充分な性能を持っていた)、などによると考えられる。 

参考文献 ・「PANZER」 1999年4月号(314号) アルゴノート社
・「制式要綱75式自走155mmりゅう弾砲(B) D8007B」
 防衛庁 1987年1月7日
参考WebSite
写真 迷彩塗装の75式自走榴弾砲写真は、お兄軍曹殿より頂いたものです。
その他は、自衛隊武器学校の展示車両(試作車)の写真です。

 

写真(写真をクリックすると大きな写真が見られます)

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2001.7.8更新 自走砲format_v0.4