兵器外観
名称 74式自走105mm榴弾砲
型式 105mmHSP
製造国 日本
製造メーカー 車体:小松製作所
砲塔:日本製鋼所
搭載砲:日本製鋼所
配備国 日本
製造初年 1974年
搭載砲関連データ
名称 74式105mm榴弾砲
口径 105 [mm]
口径長 30
砲身長 3,160(砲身全長) [mm]
腔綫 右巻き36条(25口径につき1回転)
砲身材質 降伏点:112[kg/mm^2]、絞り:15[%]以上
砲口制退機 1段クロス型
排煙機 偏心筒型(排出ノズル孔8個)
閉鎖機 垂直鎖栓式、半自動
平衡機 バネ式
駐退複座機 液バネ式同心型
照準具 パノラマ眼鏡:倍率4倍、固有視界10度、対物鏡径16mm、俯仰角各300[ミル](約16.9[deg])
L型眼鏡:倍率4倍、固有視界10度、対物鏡径35mm
後座長 305 [mm]
上下射角 -110〜+1290(-6〜+73)、ハンドル1回転で10ミル [ミル](deg)
マウント
水平発角 全周可能、手動の場合:ハンドル1回転で10ミル
動力旋回の場合:20秒で360[deg]
[ミル](deg)
最大射程 14,500(通常弾のみ) [m]
装薬 D装薬(1〜2号装薬):シングル・ベースM1、急燃性単孔型
M1装薬(3〜7号装薬):シングル・ベースM1、緩燃性多孔型
M30装薬(8〜9号):トリプル・ベース発射薬M30、緩燃性
射程距離 1号装薬:1,700〜3,500
2号装薬:2,000〜4,000
3号装薬:2,400〜5,200
4号装薬:3,000〜6,300
5号装薬:3,600〜8,100
6号装薬:4,400〜9,600
7号装薬:5,400〜11,500
8号装薬:6,630〜12,772
9号装薬:8,500〜14,458
[m]
公算誤差 射距離10000m:前後28[m]、左右6.5[m]
砲口初速 645(9号装薬時) [m/sec]
発射速度 10 [発/min]
砲弾 M1榴弾74式榴弾M67対戦車榴弾M314系照明弾WP発煙弾M60HC発煙弾M84COL発煙弾M84M1演習弾69式演習弾66式105mm榴弾砲空砲
搭載弾数 43 [発]
車体関連データ
全長 5,780 [mm]
全高 3,300 [mm]
全幅 2,870 [mm]
重量 13,300 [kg]
装甲 NDS H 4001防弾アルミ合金溶接構造
エンジン 三菱4ZF V型4気筒 空冷2ストローク・ディーゼルエンジン
出力 300hp/2200rpm
トルク 100kgf・m/1600rpm
トランスミッション トルクコンバーターおよび遊星歯車列併用式自動変速機(湿式多板クラッチ付)、前進4速、後進1速
ブレーキ
サスペンション トーションバー独立懸架式
転輪 駆動輪:フロントドライブ、歯数11
接地輪:5輪、アルミニウム合金製
誘導輪:張力調整装置付き
履帯 幅:420mm
ピッチ:150mm
接地長:3280mm
ゴムパットまたは防滑具を取り付け可能
燃料タンク 410 [L]
出力/重量比 18.4 [hp/t]
電装 24 [V]
航続距離 300 [km]
登坂能力 31 [deg]
最大速度 路上:50、(水上:6) [km/h]
接地圧 0.6 [kg/cm2]
超濠幅 2.1 [m]
超提高 0.7 [m]
最小旋回半径 8(超信地旋回不可) [m]
NBC防御 有り
夜間視察装置 有り
操作人員 乗員4名 [人]
説明

 1974年に自衛隊で正式化された自走榴弾砲。搭載砲は、戦後発の完全国産火砲である。本砲の最大射程は、本砲より10年前に量産が開始された英国のFV433アボット[Abbot]自走榴弾砲(最大射程約17,000m)より約2,500mも短く、けっして高性能なものではない。車体は73式装甲車のコンポーネントの多くを流用している。砲塔・車体の装甲とも73式装甲車の装甲材質と同一のアルミ合金装甲BA40)という種類である。
 本砲が開発された当時の陸上自衛隊の師団特科連隊(師団砲兵連隊のこと)は、105mm級榴弾砲を装備する直接支援大隊と155mm級榴弾砲を装備する全般支援大隊で編成されていた。また、105mm榴弾砲は、155mm榴弾砲と比較して発射速度も早く、弾薬の補給や陣地の構築・撤去も容易なことから、直接支援には有用と考えられていた。これらのことから、全般支援には75式自走155mm榴弾砲を、直接支援には74式自走105mm榴弾砲をとの考えで、本砲は開発されたようだ。一方、量産は1975〜1978年までに20両だけで打ち切られた。この理由は、1)本砲の正式化の翌年に正式化された75式自走155mm榴弾砲でも充分に直接支援に対応できること、2)補給・整備についても多種の自走砲を配備するより一機種の方が効率が良いこと、3)本砲の性能が仮想敵国の同時期同クラスのものよりも、全般的に劣っていたこと(その点、75式自走155mm榴弾砲は充分な性能を持っていた)、などによると考えられる。
 調達された20両は、第4特科群第117特科大隊に集中配備され、1999年までに全車退役した。

参考文献 ・「PANZER」 1999年9月号(319号) アルゴノート社
・「仮制式要綱74式自走105mmりゅう弾砲 XD8006B」 防衛庁 1987年1月7日
参考WebSite

 

砲塔内写真(写真をクリックすると大きな写真が見れます)
砲尾付近 弾薬ラック 砲尾側面

[TOPへ戻る] [大砲研究室へ戻る] [大砲データベースに戻る]


2001.10.30更新 自走砲format_v0.5