10日 第六区間、滋賀県土山から三重県坂下、関までの区間担当の前田&パズです。
おかげさまで、「真心」のタスキを三重県へ引き継ぐことができ、みなさんに感謝の 一念です。
朝9時半に国道1号線沿いにある土山支所にて、 前泊まり組のみなさんからしかと引継ぎを済ませました。 前日歩かれたみなさんも、土山宿を応援・ご一緒下さるとのことで、 わがメンバーと並んで、爽やかな天気のもと颯爽とウォーキング開始です。 応援に駆けつけてくださった地域の数名の方々も一緒に歓談しながらウォーキング。 盲導犬ユニットは全部で6組、にぎやかです。
予定通り、10時に旧東海道にある土山中央公民館へ到着し、ささやかな交流会を企画しました。 6,70名の地域の方々が私たちの到着を心待ちにしていてくださいました。 ユーザーの山崎さん、内藤さんのトークでは、 会場のみなさん大笑いしながらも真剣に頷きながら聴いておられました。 そして、リハーサルなしの訓練師の福井さんによる訓練のデモに付き合ったマクロちゃんは、福井さんの指示に従いながらも、心配そうにずっと、お父さんの山崎さんの方を見つめ、デモが終わるやいなや、一目散に山崎さんの手元に駆け戻りました。 マクロちゃん、一時とは言えお父さんの手元を離れての突然の協力、本当にありがとうね。
10時45分に、楽しい交流会を終えて、みなさんの声援を背に、旧東海道をいざ、エンジョイ・ウォーキング! この時も、十数名の親子連れやお友達同士のみなさんが、ご一 緒くださいました。 この区間は、古いまち並みや、歴史的旧跡も保存されている地区で、見所たっぷりです。 観光ボランティアさんの説明は、とてもおもしろく 風情を残した木の窓格子や当時のお土産屋さんの木の看板を手で触れたりしながら楽しみ ました。 見えなくても十分に体感!パートナーたちも、私たちの動きに合わせて立ち止まって、小休憩。
土山伝馬館では、ユーザーの男女共に、やじきた道中のいでたち姿を体験しまし た。 手足にキャハンを巻いた女旅人姿、 わらじと菅笠、蓑の男旅人姿の隣で、ハーネスを着けたパートナー達と記念写真を パチリ。 沿道には、当時、土山名物だった、「あめ、櫛、茶」の店屋や、森鴎外が宿泊した旅籠も残されていました。 街道沿いの民家では、わたしたちが歩くことを聞き知って、声援に出てくださいま す。 玄関先で手を振ってくださったり、ご挨拶程度の会話も楽しみながらの道中です。この旧東海道は、殆ど車の往来もなく、安全にウォーキングできました。爽やかなお天気、サポーターのみなさんと、住民の方々のやさしい見守りに包まれて、 パートナーたちは、皆しっぽを振り振りお仕事を楽しみながらしてくれています。
12時過、あいの土山 道の駅にて昼食。 ここで同行の地域のみなさんとお別れしました。 パートナーたちにまずは給水です。 おいしい水をガブガブ一気飲み! さすが、お茶の名産地、土山のお水おいしかったでしょう!
道の駅の駅長さん、おいしいお饅頭の差し入れ、ありがとうございました!
昼食後、道の駅近くの土山最後の見所、 田村神社にて、みなで日本橋ゴールまで、無事にリレーがつながりますようにと、願をかけてのお参りをしました。 平安時代の武将 坂之上田村麻呂由来の神社だそうです。
ここで、前泊組みの人たちとお別れしました。ここまで応援してくれて、ありがとう & お疲れ様でした。 「フレー フレー」の大声援を背中に、いざ鈴鹿峠を目指します。
滋賀県から三重県へ入る鈴鹿峠は、交通量も多く、厳しい坂が中心なので、今回は時間制約、安全確保のため、 車で頂上付近まで移動しました。 頂上にある、「万人講」の灯篭まで山の静寂な中をウォーキングしました。 5メートル以上の高さの石の常夜灯は、 近江と伊勢を照らしたという、巨大なものでした。 残念ながら,柵で囲まれていて手で触れることはできませんでした。昔は、随分と追い剥ぎも出没、まさに難所だったそうです。 鈴鹿峠の下り坂も車で移動し、麓の咲かした坂下宿へ到着したのは14時です。
坂下宿の馬子唄会館では、地域のみなさんが20名ほど集まって大歓迎、湯茶接待をして くださいました。 翌日歩かれる、引継ぎの多賀さん&クロスちゃんも出迎えてくださいました。 何よりも胸を熱く打たれたのは、90歳近いご高齢の女性、この方は馬子唄の唄い手さんですが、 当日の早朝より、もち米を炊いて、手作りのかきもちを焼いて待っていて下さったのです。 坂下正調馬子唄保存会の男性は、衣装を身に着け、朗々と力強い馬子唄を聴かせてく ださいました。今も、かきもちのこおばしい味と、馬子を引く静かに鳴り響くシャンシャンという鈴の音が鮮明に心に思い出されます。
14時45分、坂下のみなさんにうしろ髪を引かれつつ、見送られて、追分という地点から いざ、関の引継ぎ地点を目指して、みなで最後のウォーキングです。 内藤さん&イフーちゃんは、連日の歩きにかかわらず、なんとお元気なこと。 内藤さんは、イフーちゃんを常にねぎらいながら、 「Good,Good!」とやさしいねぎらいの掛け声をかけておられます。心あたたまるシー ンです。
40分ほど歩いて無事に関宿の引継ぎ地点へゴールしました。 ここで、翌日班の多賀さん、ボランティアの方に引継ぎをし、堅い握手をしてタスキ をつなぎました。 これから歩かれるみなさん、健康に気をつけられて最後まで無事に、それぞれの区間のご検討を心からお祈りしています!
最後になりますが、私たちを受け入れ、心温まる交流の場を設けてくださった方々に心から感謝しています。 滋賀県甲賀市身体障害者更生会、社会福祉協議会土山支所、伝馬館、公民館、坂下コニュニティ 福祉委員会、坂下正調馬子唄保存会、亀山市社会福祉協議会のみなさん、本当にあり がとうございました。そして、手作りのリレーに最初から最後まで影の部分で協力くださった 夫々のサポーターのみなさんに、最後に心からのお礼を申し上げて報告を終わります。
サポートメンバーからの感想
鈴鹿峠越えのこの区間は、今回のルートの中でも最も参加者が少ないと思われる区間なので、当初は、「ちょっと寂しい道中になるかもしれないね」と話していたのですが、大勢の方に同行していただき、土山と坂下宿で行った交流会にも、両方で100名ほどの参加者があり、寂しいどころか、お会いした方、同行いただいた方の顔や名前も覚えきれないほどでした。
急遽、ラジオの生番組の取材要請があったり、予定外の大勢の同行者があったり、事前の打ち合わの詰めができていたわけではないので、弥次喜多の珍道中さながらでしたが、大勢の方々から、「新聞みたよ。」「ラジオ聞いたよ。」「この間、下見に来てたよね。」「がんばってね。」などなど、いろいろ声をかけていただき、地域の人たちとの交流ができたことが実感できました。
もちろん、地域の人の温かさも有ると思いますが、これまでの活動を含め、参加されているユーザーさんやサポーターの皆様が自分たちでいろいろ考え、準備してきた純粋な思いが、素直に地域の人や同行を申し出てくれた人々に伝わったのだと思います。どこかのコマーシャルではありませんが、「これこそ”お金では買えないもの” なんだな」と感じました。
本日参加したメンバーは、以下のとおり。
・本日 六区の担当ユーザー
前田さん+パズちゃん
山崎さん+マクロちゃん
内藤さん+イフーちゃん
・特別参加のユーザー
五区担当
原田さん+ダグラスちゃん
北川さん+カークちゃん
金田さん+フランクちゃん
七区担当
多賀さん+クロスちゃん
以上