防盾[Armor]


●防盾[Armor]
 防盾(ぼうじゅん)とは、砲の操作員を敵の攻撃から防御するための装甲板である。防盾は、野砲(師団砲とも呼ばれる歩兵師団などに配置される、師団直轄砲兵で運用する砲こと)など、直接に会敵する可能性の高い砲に取り付けられるのが一般的であり、重砲(軍や軍団直轄の砲兵が運用する長射程、大口径の砲のこと)には付いていない。また、空挺・山岳師団などが運用する空挺・山岳野砲には、軽量化のために防盾が付いていない場合が多い。
 なお、牽引砲の防盾の防御力は、その重量の制約から限定的で、敵歩兵の通常小銃弾や野砲の榴弾の遠距離破片を防御できる程度である。また、戦車砲の場合は、砲塔前面の防御力の多くが防盾に因るため、砲塔前面と同等以上の厚さを持つ装甲板が使用されている場合が多い。

●防盾の例
 防盾の例として、58式105mm榴弾砲および61式90mm戦車砲の防盾の写真を下図に示す。58式105mm榴弾砲は、薄い防弾鋼板製である。61式90mm戦車砲の防盾は、写真ではキャンバスがかけられており判り難いが、分厚い防弾鋳鋼製である。

図 防盾の例
58式105mm榴弾砲の防盾 61式90mm戦車砲の防盾

 

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作成:2002/05/19 Ichinohe_Takao