射撃号令


3)射撃号令

 「射撃号令」とは何か? 要は、アシストが発した「射撃命令」をより具体化し て、実際に射撃する諸元
(信管秒時・方位角・射角)を加えたものと理解してもらえ ればよいと思います。

「射撃号令」の要素及び順序は次の通りです。

順序 要素 内容
予告 「中隊修正射!」
号令に応じ操作する砲、射撃すべき砲 「基準砲」
特別事項
装填法 連続装填の場合、略
弾丸 榴弾の場合、略
ロット
信管 「M557瞬発」
装薬号 「白6」
信管秒時 瞬発の場合、略。時限信管の場合、小数点第2位まで。
VT弾は1秒単位。
10 方向又は方位角 「1058」 360度=6400ミルのミル単位で示す。  
11 射角 「320」 なお、砲 は通常300ミルで待機している。 
12 発射法 「各個にうて」…準備でき次第、撃ての意
13 効力射の方法 「なお、効力射はCVT10発準備」

 射撃号令は、FDC内の算定員(Comp=コンピューターと呼称)が直接、射撃
陣地の砲班に対して達します。(通常は電話を使う)
 Compは、アシストから射撃命令が達せられるや、速やかにFCEという射撃諸
元算定用のコンピュータ(要は旧式のノートパソコンなんですけどね)を叩いて、射
撃諸元の計算に掛かります。
 ここで練度の高いCompになると、手はFCEを叩きながら、口では射撃号令の
うち、先に示しておける部分を砲班に対して伝達しています。上の1〜8までの部分
ですね。砲班の射撃準備を促進するためです。
 この時、Compの対面では、射撃図操作員(COP)が同様にFCEを用いて計
算し、Compがミスを犯さないか点検をしています。

流れとしては、こんな感じです。

要員 号令
Comp 「中隊修正射! 基準砲、M557瞬発、装薬白6」
砲班長 「中隊修正射! 基準砲、M557瞬発、装薬白6」(復唱する。)
Comp 「諸元、後から」
砲班長 「了解」 …諸元が来る前に、瞬発弾を装填しておく。
Comp 「方位角1058、射角320」
砲班長 「方位角1058、射角320」
COP 「よし!」
Comp 「各個に撃て! なお、効力射にはCVT10発を準備」
砲班長 「……よ〜い、てっ! 基準砲、初弾発射」

 射撃号令に関しては以上! 次回は、射撃号令を受けての射撃陣地での動き。

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作成:2002/09/01