第2次世界大戦中のドイツ軍の軽砲兵連隊の編成


●第2次世界大戦中のドイツ軍の軽砲兵連隊(師団砲兵)の編成(1942年当時
 第2次世界大戦中のドイツ軍歩兵師団には通常、1個砲兵連隊が配備されていた。ここで記述する軽砲兵連隊の編成は、1942年当時の例であり、すべての砲兵連隊が本編成を行っていたわけではない。
 軽砲兵連隊の編成を図1に示す。軽砲兵連隊は、3個の軽砲大隊(10.5cm18型軽榴弾砲leFH18、12門装備)と1個の重砲大隊(15cm18型重榴弾砲sFH18、12門装備)の4個大隊で編成される。
 各大隊は、3個砲兵中隊と通信小隊から編成される。
 各中隊には、4門の榴弾砲が配備され、兵員は、将校4名、下士官30名、兵137名の合計171名からなる。砲および弾薬等の輸送には、もっぱら軍馬と荷馬車が利用され、中隊への軍馬の配備数は153頭、馬車の配備数は16両である。第2次世界大戦中のドイツ軍といえば装甲師団のイメージが強く、機械化が進んでいたように感じられるが、実情は、他国と比べてそれほど機械化が進んでいたわけではない(むしろ、米英と比較すると遅れていた)。
 戦闘に投入される際の基本単位は、通常大隊規模である。この時期では、部隊の練度は高く、通信を多用して目標に対して多数の砲を集中できるなど、高い砲撃技術を有していた。また、装備する10.5cm18型軽榴弾砲leFH18は、命中精度が高く、取り扱いも容易であった。

図1 ドイツ軍軽砲兵連隊の編成(1942年当時) 

参考文献:
・「図解・ドイツ装甲師団」 高貫布士 並木書房
・「クルスク機甲戦」 学研

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作成:2001/05/04 Ichinohe_Takao